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第1話 プロローグ

皆さんのを読んで、私も書いてみたい!と思い、見切り発車で書いています。なので、不定期の投稿になります。よろしくお願いします。

『見つけた』


 ふと、頭の中で低くもなく高くもない、男性か女性かわからない不思議な声が響いた。


 うつらうつらと寝入りだった為、回らない頭では夢か現か、もしくは気のせいか。だが、はっきり聞こえたそれは、気のせいではないと感じる。

 しかし、ここは独り暮らしをしている自分のアパートの一室で、他に誰もいないはず。心配してこまめに連絡をくれる両親は合鍵を持っているが、車で片道2時間の実家にいるはずだし、たまに連絡をくれる弟妹も、直ぐには来れない離れた所で家庭を持って生活をしている。それに、いくら家族といえ、緊急事態でもないのに連絡もなく合い鍵を使って部屋に入ってくることはない。


 もしかしたら強盗かもしれない起きなければと思うが、それとは裏腹に意識がずぶずぶと沈んでいく。


 そして、沈み切る前に、またその声が聞こえた。


『見知らぬ地で生きていくとしたら、どんな力が欲しい?』


 何故そんなことを聞くのか、あなたは誰なんだ、などの思いは不思議と浮かんでこなかった。


『その土地で生きていく術かな。できたら不運無く暮らせたら・・・』


 そして、その問いに疑問もなく、40年間の幸運ではなかった人生を想い頭にうかんだのは、そんな言葉だった。



 その土地土地での風習とか、田舎でも都会でも人間関係は大変そうだ。この年で恋人もいない、親しい友人も少ない、家の事情で学歴も高卒で、勤め先も小さな会社で人手が足りなくて忙しい。そんな毎日に、こんなものだろうと思って生きていたが、裸一貫で出直せるなら今より少しでも苦労無く暮らしていきたい。自分よりもっと苦労している人はいるだろう。けど、あの時ああしていたら良かったのではなど、そういうことを思うこと多かった。だから、今まで少し運がなかった分、ほんのちょっとでも運が良くなればいいな。

 あ、それに何も縛られずに自由に生きたいな。ハンドメイドなんかして、自分の小さなお店とか開いて・・・。そんな楽しそうなことを考えながら、意識が沈んでいく。でも、感覚的には沈んでいくというよりは、体がふわふわと雲の上に乗り浮上していくようだった。




୨・୧ ୨・୧ ୨・୧ ୨・୧ ୨・୧ ୨・୧ ୨・୧ ୨・୧



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