表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

プロローグ

処女作でございます。至らない点が多々あるかと思いますが、暖かい目で見てくださいませ。


決して、世間には良しとはされないだろうが、楽しくて楽しくて毎日が輝いていた中学生の頃。


不良グループの情報係として、グループに影響をもたらす情報を入手して、喧嘩に出かける仲間の帰りを待つ。そして怪我をして帰ってくる仲間達を手当てする。そんな毎日だった。

夏には花火をして、祭りに行き、肝試しをして。

秋には皆で食の秋と名ずけてさつまいもをたくさん食べてた。

冬には雪で雪合戦やかまくらを作ったり、正月には皆で餅を食べながら年を越し。

春には花見だと言ってどんちゃん騒ぎをした。

まだ皆が集まって一年半ぐらいだったが、絆は確かな物になって行ってきたのだ。

皆が同じ思いを持つくらいにまで。

ずっとこの仲間達でやって行けると無垢にも願い、祈り信じていたのだ。


でも、その思いは儚く、桜の花弁の様に散っていった。



「昨日の夜、翔也しょうやが亡くなったんだ。病気で」


その言葉に時が止まったかのように皆が動きを止め、言い放った人を何かの冗談だろうと見つめた。

それを視線で感じたのだろう。もう一度、言葉を繰り返した。


「翔也は死んだ」


繰り返された言葉でやっと、現状を理解し始めた仲間は膝から崩れ落ちた。そして、心から溢れ出す悲しみを叫んだ。


皆が慕ってやまなかった人が。大人達に絶望していた中、僕達に希望を与えてくれた大人が。

知らず知らずの内に呆気なく、この世を去っていった。



皆が再び、絶望へと戻っていった。

いつも集まっていたBARは所有者が居なくなった事により、今はもう雑貨屋に変貌を遂げていた。

拠り所が無くなった僕達は散り散りになり、グループは自然消滅をして行った。


僕も、もう拠り所を無くし、この世界への未練を無くしていた。

いつ死んでも構わない。むしろ、自分から死んでしまおう。


そう思い、ろくに通っていなかった中学校の屋上のフェンスを跨った時。


「何やってんだよ、あんた」


後ろを振り返り、声の主を見た瞬間からきっと、僕の運命は変わり遂げ、僕の世界は紡がれていったのだ。

悪い意味でも、良い意味でも。

お読み頂き、ありがとうございます。少しでも楽しんで頂けたら幸いでございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ