表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

大牧場

作者: 尚文産商堂

「さすがにここまで広いのは見たことがないですね」

手野グループの企業集合体の頂点、持株会社である手野産業の一社員である俺は、今、アメリカにいた。

「だろうさ。ここは全米でも5本の指に入るほどの大牧場だからな」

アメリカにいる理由は研修。

俺の研修先は、この本当に地平線まですべてを所有している大牧場だった。

牧場主は、手野グループの南北アメリカ大陸利益代表とされるテック・カバナー財閥。

その財閥長だ。


研修というよりか、むしろ観光で来ているようなものではあるが、それでもおおらかな彼から教わるものはとても多い。

この大牧場も牛肉用に肥育されている数万頭の牛や、特別肥育牛と呼んでいる数十頭など、その価格や売るための手段、さらには経営、販売ルート、財閥としてのあり方など。

様々なことを吸収し学んでいくことができる。


「それで、君はこの旅で、一体何を学んだ?」

研修最終日、彼が招いてくれた夕食会で、唐突にそんなことを聞かれた。

「学んだことですか。そうですね、世界は広いということでしょうか」

2週間という短い時間。

だが、吸収するにはあまりにも足りない期間。

「ほう、それはどういうことかな」

「日本では、おそらくここまでの大牧場を運営することはできないでしょう。まず土地が少なすぎる。そして、税金も高い。さらには何かあれば地元住民との軋轢ということもある。一方で、ここはそんなことを気にする必要がない。それだけでも十分な収穫だったと感じます」

「ふむ」

彼がさらに聞きたがっているのがわかる。

「アメリカという利点、逆に日本という利点。それぞれは高め合うことすれど、低め合うことはないでしょう。一つだけの視点から見るのではなく、他国からあるいはもっと身近な別の誰かからどう見えているのか。そういうことを知るいい機会となりました」

「ふむ、まあまあ合格だな」

彼はにっこり微笑み俺に言った。

「それはどういうことでしょうか」

「これから君は、ここでしばらく働いてもらいたい。むろん、給料はいいぞ。君のところの社長にはもう話はしてある。どうだ、この世界の新たな視点を見つけるということは」

ある意味願ってもないことだ。

研修では身につかないことも、何ヶ月、あるいは何年といればわかるかもしれない。

「……よろしくお願いします」

「よし、いいだろう。君もこれからこの牧場の一員だ」

研修はさらに続きそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ