リュカに趣味を⑤
リュカの馬好きが発覚し、嫁達の扱いが悪くなった。
そこに危機感を抱いたディアーヌ達だが、有効な手は打てないでいる。
本当なら一緒にできる、貴族的な趣味を見付けて貰うはずだったのだが、アテが外れた格好だ。
ドカ食いのような稀に行われるものと違い、馬の世話は毎日の作業だ。それを良いか悪いかで言えば、彼女達にとってかなり悪い結果となってしまった。
「せめて、遠乗りだけでも皆でしませんか?」
「それが無難ですね」
馬の世話は、彼女達“お姫様”には荷が重い。関わるならそれ以外だ。
馬を使う趣味というと、狩猟と遠乗り。
狩猟はリュカが趣味じゃないと言っているので、遠乗りぐらいしか出来る事はなかった。
ただ、一人だけ問題がある。
「妊娠中のディアーヌさんは、まだ駄目ですけどね」
「仕方ありませんわ」
ディアーヌはまだ妊娠初期。
激しい運動は控えなければいけないため、遠乗りは駄目だと周囲の意見が一致する。
ディアーヌ自身、反論など思い付かず、しょうがないと言うしかなかった。
こればかりはどうしようもないのだ。
こうしてマリアンヌ達三人は、リュカとの遠乗りを計画するのだった。
「遠乗り? ああ、ディアーヌはしょうがないね。後で埋め合わせをしないといけないな」
話を振られたリュカは、いくつかの懸念事項を確認してからだが、構わないと快諾した。
懸念事項、ディアーヌについては留守番をさせる以上、何らかの土産を用意して時間を取った方が良いなと、論理的に物事を考える。
けして感情的に、ではない。
人の感情を無視した在り方ではないが、情を交わした相手への対応ではない。
これが馬なら別の反応をするのだろうかと、話を持って行ったマリアンヌは考えた。
一瞬、「馬と私達と、どちらが大切なんですか?」と言いたくなったが、ぐっと堪える。
その後はどこに行くのか、何をするのか、当日の天気で予定を変える準備もしつつ、話を詰めていく。
そんな話をしつつも、マリアンヌはリュカの感情が自分たちにどれだけ向いているのかが気になっていた。




