悪い悪い悪夢なんだ
すまない…すまない…
あいつ…遅いなぁ…
もう1時間経ってるぞ?電話も出ないし…
「しょうがない、メールで先行ってるって言って先に行くか…」
「すまん!遅れた!」
その必要はなさそうだ
「なんで遅れたんだい?」
これでくだらない理由ならぶん殴ってやる…
「すみません…鍵を…探してました…」
「痛い!無言で殴らないで!」
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俺は電車に揺られながら結城と今日の12時正式リリースのフルダイブ型VRゲームきでリリースされる[リアルワールドオンライン]が楽しみだな、とかのいつも通りの適当な会話をする。その時ふと疑問に思った、あれ?俺は何処に行こうとするんだっけ?
<まもなく終点、京東です。お出口は右側です。今日はRJ日本東をご利用くださいましてありがとうございました>
あ、あぁ?そうだ、スモールカメラに行こうとしてたんだ。
「隆博?どうしたんだ?」
「あ、あぁ、いやなんかボーっとしちゃってさ」
適当に誤魔化す。こいつは何しに来たか忘れたとか言ったら絶対ネタにするからな…
「へー、変なの。それで、スモールカメラで何買うんだっけ?」
行く前に説明しただろ…何しに来たか忘れていた俺は何も言えないが…
「忘れたのか?一人暮らしに使えそうな冷蔵庫とかテレビ買いに来たんだよ」
「そんなこと言ってたなぁ…」
それからはスモールカメラに着き、何を買うか適当に選んで順調に進んで行く…そう、思っていたのに…
——————
<パン!パン!パン!>
会計中に三発分の銃声が鳴り響く
俺は銃声が聞こえた方向を見る。そこには複数人の銃を持って仮面を被った男達…その1人の銃口は…俺に…俺に向けられていた…
「隆博!危ない!」
そう言い…弾道に飛び出してきたのは…結城だった…結城は弾にあたりそのまま倒れる。
「グッ…痛い痛い痛い痛い」
結城はそう言いながら悶えている。
トドメと言わんとばかりに男の1人は結城に何回も撃つ
「おい!結城!?おい!なぁ!おい!」
俺は体から力が完全に抜け、地面に座り込む
<パン!パン!パン!>
銃声はまだ鳴っている。
「ノルマは達成した。チップのコピーをしろ」
そう声を機械で変えたような声で真ん中の男が言い、銃を撃った男達がそれぞれバラけ変な機械を死んだ人の頭の左上に当て始める。俺たちの前には真ん中の男がきた。
「チップは取る数が決められている、それ以上でもそれ以下もダメだ。無駄な死体は増やしたくない。だから邪魔をするな、容赦なく殺すからな」
そう言い、俺を重いっきり蹴り、結城の頭にも変な機械を当て始めた。
「やめろ!」
そう言い俺の足を掴む
「なんのつもりだ?」
蹴られた痛みと恐怖で体が震える。
「やめろよ…やめてくれよ…」
腹の中から精一杯声を出した
「そんなにも友達が大事なのか?」
俺は何も答えられない、答える余裕がない、ただ強く、強くやつの足を掴む
「はぁ、今日の12時以降にフルダイブ型のVR機にこれを刺して電源を付けな、運が良ければ友達に会えるかもな、友達に会える唯一のチャンスだ、そのチャンスをまさかドブに捨てたりしないよな?」
そう言って投げ捨てられるUSBメモリ。そこからはずっと放心状態のまま時間が過ぎていった…
メモリーチップを抜くってどうやんの?と思ったでしょう。専用の機械でメモリーチップは抜かなくとも時間はかかりますけども中身を見れますが時間かかるんで警察が来る前に回収するには抜くしかないっすね。抜くこともできるんすけど生きてる人には危ないです。