表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その中年。ここに建国せり。  作者: オットー
第四章
30/41

2つ目の建国 『ノアズ』


 さて、ミニダンジョンに関する件は、予想通りだった。


 要望はすべて却下となったのだ。


 タナーからその報告を受けた俺は、ミニダンジョンに居るホムンクルスに念話で連絡を入れた。


「この国、クレスト王国は、俺からの要望をすべて却下した。 なので、俺はこの国の一部であるミニダンジョンの周囲を切り取り、建国することにした。」


 この言葉と、次の内容をミニダンジョンの村人・・。

 いや、新しい俺の国の国民たちに、ホムンクルスを通じて伝えさせた。


・クレスト王国は、こちらの要望を断った。

・このダンジョン周囲をクレスト王国より奪い取り、ここに建国する。名を『ノアズ』とする

・現在のダンジョン内の安全は守る。 ダンジョンに残っている全員で、このミニダンジョン内を住みやすい様に土地や建物を皆で協力して開発して欲しい。

・俺はしばらくの間、ここの安全を更に充実させるために封鎖を解かないまま、我が国『ノアズ』の領地とするべく『クレスト王国』より切り取った土地を防衛するための措置を講ずる。

・状況は、毎週連絡を取る。 出入り口の門番のゴーレムを介し、相互に行う。




 と言うことで、俺は領土にする予定の範囲内の人間を捕らえ、今回のために呼び出しておいたモンスターたちに拘束させておいた。


 捕らえた者達からは、外の様子が見えないようにした。モンスターによって急遽作り上げた建物に捕らえておいた。 もちろん、最低限の食事は与える。



 そうして、ノアズ国民以外の人間が、誰も領土と知り場所に居なくなったのをマップで確認していた。


 俺はこの国の領土のダンジョン領域には、自動修復が機能する所とそうでないところを分けておかなければならないと思っている。 折角国民が汗水垂らして開墾や建築をしても元に戻ったら可哀そうだからな。


 さて。 ダンジョンマスターの能力を使い、『ノアズ王国』とするべくして切り取った範囲の外周には「堀」を造っておく。 「堀」の壁は崩れ落ちたりすることが無いように固めておく。

 その「堀」は、幅も深さも20m。


 領土内に綺麗な水が湧き出す『泉』、丁度領土の中心地付近に、地面よりも10メートルほど高くした丘に設置した。 この泉もDP産だから、その水は枯れることもない。


 そこから「堀」に水を引くと立派な「水堀」の完成だ。 外の川から水を引き込むと、将来的に毒などを流される恐れもあるので、湧き水の湧く『泉』探し当てた風を装っておくのだ。

 国民達の安全は、大事だよ。


 この時点で、空を飛べない人間であるクレスト王国軍から、は攻め入られる心配は激減したであろう。 物理的に。


 無理に『水堀』を渡ろうとしても侵入が難しくなる措置も講じておく。


 領土外周を囲う水堀の内側には、ミニダンジョンを出ていたホムンクルスを筆頭にし、ゴブリン・オーク・コボルト・ブラウニー達に土壁を造らせていく。 外からは、人力(モンスターの力)作業で作り上げていくように見えるようにしておいた。 油断を誘うためだ。

 クレスト王国から見れば、対処する時間はあり、壁と言ってもただの土壁なのだ。


 そこまでして、やっと内側の建設に入るのだ。


 物見櫓を外壁沿いに一定間隔で設置。 その内側に、また石や岩などを積み上げ石垣にする。


 攻め入られた場合に、石垣の内側や通り道の側面から攻撃できるような作りにした。 まるで戦国のお城のような作りだ。


 『水堀』の一部には、人の出入りの為の跳ね橋を架ける予定なので、橋を架ける予定の位置に門を造らせておく、将来的に東西南北の4か所に「跳ね橋」架ける予定だ。


 門の立つ場所以外は土壁を門の高さまで積み上げておいた。


 跳ね橋を渡り、門を通り抜け、石垣まで来ると、街中まで入るための石垣で作られた通路を通るしか行けないようにした。 空を飛べばまっすぐ入れるだろうが将来は空からの侵入も出来ないようにしたい。


 どの外門からも繋がってはいるが、街中に入れる内門は1か所のみだ。


 地下からの侵入を試み、掘り進めて進軍しようとされても、「水堀」より深く掘ったうえで掘り進んでいく必要があるため、簡単ではない。間違って水堀に穴をあけると一気に水が侵入、流されて壁やらに激突死、もしくは水没死の可能性も高い。

 そしてダンジョン領域内なので、日付変更時と任意のタイミングでの修復も出来るので、通常の軍では地下からの侵入もほぼ無理だろう。



 要は戦国時代の城のような外周を国境に定めたのだ。 外から、水堀と跳ね橋用、外門と土壁、内門と石垣、の順だ。


 俺の国なのだからダンジョン機能もバッチリ織り込むのだ。



 石垣の内側は「都市」化するので、上・下水を整備する。


 泉から引いた水を数ヵ所の水汲み場を設置。


 下水は最終的に一か所に集まる様に設置して、下水処理用のダンジョンフロアを設置。ダンジョンの能力で翌日にはきれいさっぱりと消える手筈だ。



 後は、うわものと言うか、建物の配置だが。


 ミニダンジョンの出入り口周囲は広場にしておく。


 その広場のすぐ近くには国営の宿屋・モンスター用の宿舎・武器屋・防具屋・道具屋、それと各所に兵詰め所・俺の屋敷・屋敷近くには詰め所本陣とその地下には牢獄、を設置した。


 おっと、政府期間を併せ持つ役所も設置しなきゃ。出来るだけ大きく作りっておく。 役所内には議事堂的な大きな部屋や裁判所も入っている。


 将来的に冒険者ギルドも誘致する予定なので、役所内に場所の確保だけはしておいた。


 他は追々でいいかな?


 


 石垣の通路内、内門から一番近い外門と内門の中心付近に1か所。そして内門のすぐ内側近くにも詰め所を置く。

 今しばらくは、亜人系モンスター・ガーゴイル・ゴーレム達を、詰め所の所属兵士に見立てて運用する。


 そして、領土内上空を、亜人系モンスターと同じタイミングで召喚した『翼持ちのモンスター』を放し飼い状態で自由にさせている。 勿論、野良モンスター以外は襲わせないように指示してある。

 たまに我が国の領土近辺をうろつくであろう野良モンスターの対処を任せた。


 空域モンスターの隊長は、『サンダーバード』を起用する。 空の攻撃と言えば「雷」。


 ただの個人的な思いで隊長にした。 彼の名は『ライ』。安直だと思うが響きがイイのだ!


 地上部の隊長は一緒にここを盛り立ててくれている『ホムンクルス』だ。


 彼女の名は『ジェナ』、呼びやすい。 有事の際は、名が長いと呼ぶだけで時間のロスに繋がる。



 こうして、俺は我が国『ノアズ』の防衛と、最低限の衛生設備・国民のための政府機関・冒険者用の店、を実質4日程度で作り上げてしまうのだった。


誤字脱字があれば、ご指摘お願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ