高額当選
最近話題になっている宝くじがある。
どこかの金持ちの財団が、税金支払うのが惜しくなって作ったという宝くじだ。
番号を10個選び、全部当たれば1等。
それから9個で2等、8個で3等となり、2個で9等まである。
この宝くじができて以来、約20年。
1等がとうとう出たそうだ。
その賞金金額は繰越し続けたおかげもあって、なんと150億ドル。
それを当てたのが、何を隠そう、この俺だ。
換金したのもつかの間、有象無象の友人と名乗る人らが群がってきた。
しかし、俺は彼らには目もくれず、ただ一つの場所を目指す。
「ただいま」
「お帰りなさい」
子供が3人、妻が一人。
庭付きの家は今日でおさらばだ。
「いいかな」
「ええ」
この金は誰にも渡さない。
どこかの島を買って、そこにネットでも敷いて、それで遊んで暮らす。
それが俺らが決めた道だ。
生涯遊んで暮らせるだけの金をくれた、見も知らぬ大金持ちに感謝だ。