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暁の英雄〜とある少年が英雄になるまでの物語〜  作者: �����
第壱章 異世界セットアップ
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第二話 全ての始まり②

 話が少し変わるが、この世には神隠しというものが存在する。それは山や海でも都会のど真ん中でもいい、何かしらの神秘的な場所などで起こる現象のことである。


 消えた人はどこを探しても見つからず、ある日突然も取ってきたりするケースもある。

 そして大抵は彼等にいない間の記憶は無い。


 ちなみに記憶がある輩は信じてはいけない、私は嘘だと信じている、ヒントは独占欲だ。


 閑話休題、では当の消えた本人達は一体どこにいたのだろうか。


 本当に単純に遭難していだけかもしれない。子供だと猛禽類に連れ去られるというケースも有りうる

 けどもしかしたら未来ににタイムスリップしていたのかもしれない。

 もしかしたらもしかしたら本当に神様の住む天界に招待されていたのかもしれない。

 つまりどの可能性だって可能性として見ればありえるのだ。


 さてもうお気づきの方もいるだろうが、こうも考えられないだろうか…



「異世界に飛んでいたのかもしれない」と…





「…このトンネル長くない?」


 将生と共に先頭を走っている彩華が立ち止まった。


「そうか?そこまでしんどくないぞ?」


「ぬぅ…アンタはね、この体力オバケッ!…ってかホントに長くない?」


 疲れた彩華は手を膝に立てて、まだ先の出口を眺めた。


 四人がトンネルを進んでかれこれ五分経つ、普通なら出口にたどり着いているはずである。

 しかし出口の光はまだ先にあった。


「これ本当にこの道であってるの?」


 彩華は流石にこれはおかしいと思い、将生に尋ねた。


「いや、この道しか無いからあってるだろ?」


「なんで疑問なのよ、…まさかこのトンネル自体が違うとか無い…よね?」


 完全に不安しかない質問に将生は…


「そんなことは無いはずだぞ?…いやそんなこともあるのか?」


「やっぱり!!このバカァーー!!」


 泣き喚く彩華を慰めようと桜は二人の所に駆け寄った。


「今のはどう見てもお前が悪いぞ、ちゃんと謝っておけ。というか間違っていると思ったならもっと早く言ってくれ…」


「ご、ごめん皆…というかこれで合ってるはずなんだが一体どうなってんだ?」


 将生は謝ると、ふらふらと壁にもたれかかり床に尻を着けた。


「とりあえずこの状況を打破しないと…」


 流石に倫もこの状況はマズいと思った。


「将生、この後はどうするつもりだ?」


「ああ、戻るしか…無いよな?」


「そうなんだが、生憎あの真っ暗な道をちゃんと戻れる自信と安全は無いよ。だから俺はとりあえずあの出口に向かって、外に出てから考えることにしようと思ってるんだが…」


 倫は二人の方に振り返った。


「彩華、桜大丈夫か?いけるか?」


 二人は頷いた。


「倫が言うなら…」


「りょーかい、付いてく。」


 そしてまた将生の方に振り返り、倫は手を差し伸べた。


「二人もそう言ってる。決まりだ、行こう。」


「すまん倫、ありがとう…」


 将生は差し出された手を引っ張り立ち上がると照れくさそうに言った。


(とりあえず先に出口に向かって外を確認しておくか、二人は…)


「将生、ちょっと見に行ってくる。二人は…」


 将生は倫の言いたいことを読み取った。


「ああ、二人は任せてくれ。」


「頼んだ。」


 将生に二人の事を任せると倫は出口に向かって走り始めた。


 倫が走っていると、ふと疑問に思ったことがあった。


(そういえば出口がやけに明るいな。この付近に高速道路なんて通っていたっけ?いや、それ以前にこの明るさは眩し過…)


 その瞬間、倫の足は空を切った。


 それはまるで突然重力がトンネルの出口、光にも働いたかのようだった。


「うぉぉおおぉぉぉおおお!?!?!?」


 倫は斜面を滑るのかの様に腹這いになって地面を滑って行く。


 出口に近づいていく様に思えたが倫は気づいた。自分が出口に向かっているのではなくそこから見える光が急速に大きくなっていっている事に。同時にそれが外の光でない事に気付く。


「うっ、眩しっ…っつ!?」


 あまりの明暗の変化に目元を腕で隠した直後、倫は一瞬の内にして光に飲み込まれた。




「倫どうした!?大丈夫か?」


 倫の叫び声を聞いた将生が光の方向に振り返る、しかしそこには倫の姿が見当たらなかった。


「あれ?倫の野郎はどこ行った?」


「ほんとだ、いない …」


 将生は二人を見る。


「俺達が見てくる、きっと何かあったに違いない。危ないかもしれないから二人はここで待っていてくれ。」


「ダメよ!今ここではぐれること自体が危険よ!私達もついて行く。」


 彩華がスッと立ち上がった。


 次の瞬間、将生は後ろに引っ張られたような感覚に襲われた。


「うぉっ!?」


「えっ…!!」


「きゃあ!?」


 三人も倫と同じ様に光に吸い寄せられるかのように滑り始めた。


「俺に捕まれ!」


 将生が咄嗟に二人に手を差し伸べ、二人を掴むと自分の胸に引き寄せた。


 速度がどんどん上昇して行くのが分かり、将生は背中に激痛が走るのを何度も堪えようとするが耐えられるはずもなく悲痛な叫び声を上げた。


 三人の叫び声が重なり不協和音を奏る。


 そして三人もまた眩い光に飲み込まれた。




 光が弱まるのを感じると、将生は目を開けた。


「う、嘘だろ?何処なんだここ…」


 そこは少し高さのある岩山のような場所だった。

 目の前は一面森が広がっており、入り口時と若干似たような光景なのだが、何故か空に太陽が登っていた。


「なに?どこよここは!?」


 彩華もかなり動揺している。


「一体どうなってるんだ…そうだ、倫は?倫はどこだ!」


 少し丘を下り、森の中を除くと少し先に開けた場所があることが見えた。


「何かの施設か?にしては出来過ぎている気もするが…」


 将生は坂を下り、少し小走りで木々の間を駆けた。地面は誰かが通った跡があったのでそれを頼りに将生は森の中を進んだ。

 木々を抜けると、そこには少し小さな湖が広がっていた。


 水面覗くと、とても水が透き通っていたが、底が深いのか、底の方は暗くて何も見えなかった。


 湖の周りを歩いていると、誰かが枝を踏んだ音がした。


「誰かが来た!とりあえず隠れよう!」


 将生達は何かが来るのに気づき、近くの茂みに身を隠した。





 湖から少し離れた木の上には一人の男が立っていた。


 男は岩山の中腹で眩い光が二度放たれたのを見ると不覚にも笑ってしまった。


「遂に現れたか…彼らが僕らの希望となることを願うよ…」

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