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暁の英雄〜とある少年が英雄になるまでの物語〜  作者: �����
第零章 異世界ファイナルアンサー
2/15

プロローグ2

これでプロローグは終わりです。

 ……どれぐらいの時間が経ったのだろうか。


 それは映画館で延々と映像を見せられているかのようだった。

 かと言って片手にドリンクも無ければ、ポップコーンさえ無い。


 そういえば三人が見当たらないな、どうしたのだろうか。


 というかこの映画は何なんだ?


 最初からずっと一人称視点じゃあないか、この主人公に感情移入しろってか?


 いまのこいつの心情か…目の前は瓦礫の山が火の海に包まれていて…その前にこれはある都市の宮殿で…いや、もうそこは宮殿と呼べるものは残っていないけどな。


 周りが炎に包まれた瓦礫の山の上に一人の半裸姿の男が立っていた。


 年はまだ若く見える、炎のせいでよく分からないが少なくともネグロイドではないようだ。だが顔立ちからどこともなく懐かしさを感じた。


 青年はよろめきながらも自分に向かってきた。だが画面外から現れた何かによって青年はその場に倒れた。

 少女が駆け寄るも青年は目を覚まさなかった。





 場面が変わった一一一


 男に表情は無く、無残に足元に転がる血に濡れた二人の顔を見つめていた。


 男は何も喋らなかった。 


 男はただ見つめることしかできない。





「待て…待て待て、何で◼◼と◼◼がそこにいるんだ。何かのサプライズか?それにしちゃタチが悪いぜコイツはよォ!…何やってんだよ、早く助けろよ…なぁ…なあ!」


 ……………何故こうなったのか


 …………何故俺は何も出来ないのか


 ………何故に二人が倒れているのに何もしないんだ


 ……何故二人が死んでいるんだ


 …何故二人を守れなかったのか


 『何故二人を殺してしまったのか』


 その考えが過ぎった時、男は喘ぐように叫んだ。

 しかし男の顔はピクリとも動かなかった。男がどんなに泣いたり喚いたりしようが、男の表情は微動だにしない。


 後ろから声が掛かった。その声はなんとも引き寄せられる中性的な男の声で、振り返るとそこには姿格好が場違いな程整った汚れ一つ無い白の背広を着ている男が立っていた。


「そろそろ次へ行こう、英雄(ヒーロー)観測手(キーパー)も現れなかった…ここにもう用はないからね。それに…」


 男の身体は後ろに振り返りその場を後にしようとする。


 動くな、待て!と叫ぶ、しかし見える景色はだんだん別の場面に移り変わっていく。


 そして赤い景色がだんだん暗くなっていく、男は抵抗しようとするが身体は言うことを聞かない。


 こんな映画があってたまるか!と。


 そして男は全てを思い出し、後悔した。自分の無力さに、そして愚かさに。


 意識が遠のいていく、これがただの夢ならばいいのに、そして現実(つぎ)がこの悲しい結末にはならないように。


 そう願いながら男は目を閉じた…



「僕はなんて働き者なんだ!この世界で僕以上に働いてるやつなんていない、庭の草むしりに勤しむ奴だけは別の話だが。しかしここでそれとなく分かってた悲報だ。この勤勉な働き蟻にも限界はあるんだわ、これが最後だと思ってくれ。行こう!剪定の時だ!」


『分かってる…次は必ず上手くやってみせるさ』


 ふと何処からか手が差し伸べられた気がした、自分はその見えない手を掴もうと空を掻いた。





 某所一一一


「は…はははははッ…成功だ!…見とけよこれが俺の未来への一手(ファイナルアンサー)だ。」


 そう言って人差し指を目の前の男に向かって力強く指さした。

次から本編が始まります。


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