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出会い
彼と初めて会ったのは、小学4年生の時。
お葬式の場でだった。
亡くなったのは彼の母親、鈴木涼子だった。
鈴木涼子さんは、俺の叔母にあたる人だったが、会った事も無く、元々親戚関係が薄い鈴木の家系では、鈴木涼子の息子の鈴木涼夜とも会った事も無かった。
俺と同い年ということもあり、周りの人(主に母親)に「ほら、話し掛けてきなさい」と、せっつかれたのを覚えている。
大体、母親を早くに亡くした子供に何を話し掛けろって言うんだ。
高2の今だって、何を話し掛けるか戸惑うのに、だ。
それに、向こうも俺なんか気にしていない様子だったし。
第一向こうも話しかけにくい雰囲気を醸し出していたし。
結果。
俺は初対面では一言も話さなかった。