紅い夜~昇らない朝~
ー紅い夜ー
ー朝、それを最後に見たのはいつだったか
緋月は真っ暗な意識の中、考える
そんなことを考えていると、意識がハッキリしはじめる
ー時間だな
そういつて緋月は自分の体に変わった身体を動かす
『何か』に襲われる瞬間、緋奈乃の黒い髪が赤く染まっていく
そして『何か』の攻撃を素早く後ろに跳び、回避する
「いきなり遭遇するとは、どうやら私が出て来た理由は、こいつの気絶らしいな」
そういって意識のない緋奈乃の代わりに緋月がでてくる
「それじゃあ素早く、終わらせよう」
落ち着いた声で緋月は、髪を後ろで一本にまとめる
剣を取り出す
そして、目の前にそれを構え
「ウガァァァァァァァァァァァ」
襲ってきた『何か』の攻撃をいなし
「フッ!」
一刀のもとに切り裂く
『何か』は断末魔をあげながら、辺りに黒い煙のようなものを撒き散らし、散っていった
「さてと、今日は長く狩れそうだ」
そういって緋月は、紅い月に向かって剣を片手に歩き出す
太陽に背を向けるように
ー朝ー
「はっ!」
緋奈乃は勢い良く起き上がる
「ここは・・・、私の部屋?」
緋奈乃はベットから降りて自分の部屋に無造作におかれたバックの中から携帯を取り出す
「日曜日になってる・・・、ということは、昨日の事は夢じゃない?」
確か自分は昨日、学校の帰りに何だかよく分からないのに襲われたはずだ
「なんだったかなぁー、あれ」
考えているとふと、自分の姿が制服のままだと気がついた
「制服のまんま寝ちゃったんだ、うり?どうやって私帰ってきたんだ??」
考えれば考えるほど謎が深まるばかりだ
すると突然
「緋奈乃、起きてるか?」
兄ー月夜の声が聞こえてきた
「なんです?兄さん」
すると兄がドアを開けて入ってきた
「兄さん!何かってに入って来てるんですか!」
月夜はそんな言葉を遮るように話始めた
「お前昨日、ずいぶん帰りが遅かったな、何をしていたんだ」
「それは・・・、実は覚えていなくて・・・
そう答えると月夜は
「そうか、覚えていないのか、だが夜遊びは程々にな」
そういってきびすを返して部屋から立ち去る
「変な兄さん」
緋奈乃はただ、立ち去った兄の方を見ていた
ー廊下ー
(覚えてないか、まだ大丈夫だな)
月夜は緋奈乃の部屋の方を向き
(だか、緋奈乃もあの化け物の事はいつか気づくだろう)
(そのときは、俺も動かなきゃな)
月夜は身体の向きを変え、自分の部屋に向かって歩き出した
おはこんばんちは!平入 夕弦です一週間ぶりぐらいですかね?
今回は主人公に関わる人たちの事をメインにしてみました
いかがでしょうか、気に入ってもらえたら、感涙極まります
この感じだとかなり続くと思いますので、出来ればお付き合いください
最後になりましたが読んでくださった方々、本当にありがとうございます
それでは、また次回お会いいたしましょう