紅い夜~動き出す時~
ー土曜日ー
「どうして、何でこんなことに・・・」
緋奈乃はただ、椅子の上でうずくまる
「こんなの、こんなの無理だよ・・・」
何度めかわからない諦めを口にする
(無理よ!無理なのよ!)
「この数学の問題!私には解けないよ!」
そういって椅子から立ち上がる、するとそこに
「貴方が期末テストで赤点とるからこうなったのよ」
そう言いながら、茶髪長身の女性、担任の松山 奈々見がやって来る
「さて、一体何処まですすんだかしら?」
そういって奈々見は緋奈乃のプリントを見て
「ッ・・・・!」
絶句する、なぜならさっき見た所から少したりとも進んでいない
「あなた、これ全部終わるまで今日、帰さないわよ」
ーああ、神様、私何か悪いことしましたか
そんなこと考えながら緋奈乃は、他に考えるのをやめた
ー夕方ー
「ああっ、つっかれたぁ~」
昼ごろに始めた補習も、全て終わって学校の外に出たら、もう六時過ぎである
「帰ったらすぐに寝ちゃいたいな~」
そういって空を見上げる
「あっ、また出てる、あの月」
あの月とは、この前見た、ほんのり赤い月の事である
「やっぱりあの月、少し不思議ね」
そんなことを言いながら曲がり角を曲がると
「えっ?」
真っ赤水溜まりがあった
その先には二つの、ちぎられたような塊が落ちている
「ひっ、きっ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
血だ、あの赤いのは、そしてあの黒い固まりは人、だったものだ
「なに、なんなの?」
すると前から、『何か』がきた
それは、はっきりとは見えず、何なのかはわからない
だけど一つだけ、あれはこの世界の物じゃない、それだけはわかった
「ウルゴカァァァァァァァァ」
そう叫びながら『何か』が飛び込んでくる
この後のことはよく覚えてない、ただひとつ覚えてることは
真っ赤に染まった紅い満月だけ
おはこんばんちわ!平入 夕弦です
三話めです、正確には二話ですが、やっとメインの部分に入ってきました
これ書くのスッゴく大変でした、書いてる途中で二回も内容が飛んだので
そのときはほんとに涙目になりました、思い出すだけで・・・(泣
そんなことより、今回も読んでいただき誠にありがとうございました
次の話は大体一週間ぐらい後に出したいと思います
それでは皆様、またお会い出来ますよう感謝を込めて