嘘+脅迫=交渉には必要なものです
前回、戦闘も碌にしてないのに何故か成長していた俺。
しかしまあ、そんなことより《変換術》だ。何時の間に有ったのだろうか。気付かなかった。
あ、そうだ。『錬金』
[合成術+変換術=合成錬金術]
合成に特化した錬金術が完成。…文字通り「+」と「=」しか使えないけど。
しかしまあ、副作用で錬金の速度とか色々上がった様だから良しとしますか。
よし、じゃあ早速。『合成錬金』
[車輪=豪華な車輪+2]
+2?だと?
『ステータス』何々?消音+2?
…へぇ、錬金をしただけでステータスが向上するのか。コレは良いスキルを持ったな。
「じゃ、戻るか」
〈そうですね〉
と言う訳で、俺たちは女性のところまで戻った。
あ、ちなみにアイリは荷馬車のところに突っ込んでおいて、ヴァーノンさんは起こして、騒いで煩かったから適当に記憶消去をして暗示を掛けて先に戻らせた。
そこの部分は大して面白くなかったので割愛する。
「あ、すいません。ちょうど良い大きさのものが無くて、ちょっと探してました」
そう言いながら俺は車輪を転がしながら壊れた車輪の近くに待機している女性の下に近づいた。
「ッ…すいません。…では」
馬車のカーテンが動いている。どうやら馬車の中の主と話をしていたみたいだ。
主…?〈ああ、マスターが企んで居る〉
「コレなんかどうですか?大きさもぴったりだと思いますけど」
「ありがとうございます。…すいませんが付けていただいてもよろしいでしょうか?…あいにく、私は付け方がわからないので」
「ああ、大丈夫ですよ」
「すいません」
と、言うことで俺は件の豪華な馬車の車輪の修理を行うことになった。
が。
「それじゃあ、中にいる貴方の主には悪いですがこの馬車から降りてもらいます」
面白そうだから。
「「えっ」」
「え?」
馬車の中の人にまで驚かれてしまった。何故だ。
顔が見たいだけなのに。面白くないなぁ。
…女性の話を聞いてほとほと呆れた。
なんと彼女の主は男性が苦手だそうだ。だから自分がいる状態では『動きたくなくないでゴザイまする!!!』ということらしい。…オイオイ。
しかし、面白さを求めている俺はそんなことで妥協はしなかった。
小一時間ほど、二人に車輪の付け替え時の危険性(?)を懇切丁寧に説明(説教)してやった。
いやまあ、一介の高校生だった俺が車輪の付け替え時の危険性なんて知るわけが無いけどさ。
まあ、若干〈9割がた〉嘘言ったり、脅迫まがい〈脅迫です〉の事を言ってしまってやりすぎたと思って少し焦ったけど、納得してくれた。
…ちなみに、説教突っ込みしていたシイナは最後のほうでは顔を赤くしながら途中でどっか行ってしまった。ハアハアと涎を垂らしながら俺達の荷車の方へ行ったので、アイリが心配になったのだろう。…たぶん。
また、説教の最後へんで馬車の中でもシイナと同じくハアハア言うのが聞こえた。大丈夫だろうか。やっぱりやりすぎたか?まあ、こっちは俺には関係ないさね。
トーマ
◆スキル
《フラグメーカー》
《主人公補正》
《フィフスジョブ》
《感覚異常 Lv16》
《秀才の凡才》
◆EXP表示不可 next 職人:531,4270 賢者:132,480 アサシン:753,400 軍人:132,480
アイリ
◆スキル
《気》
《猟犬》
《信頼の努力》
◆EXP 1 next 奴隷闘士:2




