錬金術師vs三頭獣
主人公最強だけど戦闘があるとは言ってない
…いやまあ、いつかはあると思うけれども
大晦日ですね。2015年もよろしくお願いします
「グルゥゥゥッゥウウウアアア」
俺は咆哮が聞こえた瞬間に咄嗟に荷車を収納して前方の草原の方へ大きく跳んだ。
「…チッ」
もう少し持ってくれると思ったが駄目だったか。
現在そいつは100人近くにいた盗賊共を3つの頭で(・・・・・)塵も残さずに消し飛ばしていた。
遠くにいる者はその脚力で一瞬で追いつき、正面の敵は炎の咆哮、少しでも傷つけば回復の魔法、後ろや側面に回ろうと思えば毒の霧で戦闘不能にする。
頭は獅子、胴体は山羊、尻尾は蛇という姿の怪物の名は、
「キマイラ…か」
ちなみに蛇足だが、この時の俺はものすごく『イイエガオ』だったに違いない。まるで、子供が新しいオモチャを見つけた時の様に。
「…クハッ♪」
いやはや、すげぇ生物を見つけたぜ。今までの森での修行でじゃ、キマイラなんて、似たような『魔物』しか見なかったからなぁ。本物の『幻獣』と久しぶりに出会えるとは。こいつぁ、楽しくなってきやがった。
…なるほど、こいつの所為でここら辺に魔物が居なかったのか
「グルルルルル」
盗賊共を全員殺ったか。よし、これで目撃者が出なくて面倒なことにならずにすむ。…お、こっちに気付いたみたいだ。
「ヴヴヴゥゥゥゥガァァァ」
こちらに猛烈な勢いで突進してきた。…俺はそれを右へ跳ぶ事で避けた。
「フフッ…さあ、キマイラ!!話をしようじゃないか!!何、こちらは危害を加えるつもりは無い」
無詠唱発動 『上級 精霊:意思疎通 目標、キマイラ』
俺はハイテンションでキマイラに話しかけた
さり気なく言葉が通じるようになる魔法を掛けておくことも忘れない
「何だこのハイテンションは…」
「何だってか?俺は俺。御手洗冬馬という。よろしくな」
「!?貴様、我の言葉がわかるのか!?」
「い、いやぁまあ、一応ね」
よし、大丈夫か。ん、いや、そんな事よりも
「なあ、キマイラ。少し話を聞いてくれないか?」
「フン、誰が貴様のいうことな「少しでいいからさ」…ど…」
ちょっと(かなり)強めの魔力をキマイラに放出する。
「き、きききききさま、おおおおちつけ、聞くから、話聞くからぁ、はうぁあ…」ガクガクブルブル
俺は放出をやめた。
「…うぅ。こ、怖かったよ~死ぬかと思ったよ~もうやだよ~」
と、いいながら丸くなって蹲るキマイラ
オイ、キャラ崩れてるぞ
「…もういいか?」
「うう…ハッな、なんじゃ!?」
俺に呼ばれてガクブル状態から平静を装うキマイラ
いや、今更感が拭えないが…まあ、いいだろう
「…契約しないか?」
「へ?」
実は俺は幻獣という生物はそこまで視たことがない。
幻獣を模した魔物ならば、何十匹、何百匹と倒しているが、真に生きている幻獣はあの森ですら、10匹もいなかった。
シイナによるとかなり珍しいとのことで、森にいた奴らは出会ったときに片っ端から契約させた。
まあ、そいつらのことはまた後日話すとしよう。
…さて、ココから先の契約の内容のことは余り話さないことしておこう。
本人(?獣か?)の名誉ととある物の犠牲のがあったからな。…あんまりココで言うと怒られる。
「…?どうかしたのかえ?そんな遠い目をしよって」
「…いや、別に」
考え事をしていた俺を心配するように声を掛けたのは金髪ロール巻きの可愛いお嬢さんだった
…いやぁまあ、キマイラなんだけれども。
いやはや、幻獣種って以前に契約した奴らもそうだったけど、擬人化できるんだよね。やっぱり幻獣は謎が多くて面白いなぁ
あ、ちなみに。このキマイラ、女(雌?)だが、獣状態だとライオンの部分にたてがみがある。そこを聞いてみたら、キマイラの種族にたてがみが無いのはいないんだってさ。
閑話休題
「…して、主よ、童に頼みごととは?」
「ああ、そのことなんだけどな…
…
……ってことだ」
「…なんと!?」
トーマ
◆スキル
《フラグメーカー》
《主人公補正》
《フィフスジョブ》
《感覚異常 Lv16》
《秀才の凡才》
《変換術 Lv5》
◆EXP表示不可 next 職人:531,4270 賢者:132,480 アサシン:753,400 軍人:132,480
アイリ
◆スキル
《気》
《猟犬》
《信頼の努力》
◆EXP 1 next 奴隷闘士:2