強い+可愛い=最強じゃね?
「じゃあ、アイリ。とりあえず、お前は向こうの部屋でこれらを装備してくれ」
朝食を終えた俺は、アイリに昨日作った防具を見せた。
「?この装備はどうしたんですか昨日まで持っている様子無かったのに」
「ん?…ああ、作った。昨日」
「昨日!?え?え?」
アイリはすごく混乱している。
まあ、そりゃ、グローブ、シャツ、ベスト、ズボン、靴を昨日の夜のうちに作ったと言っても信じきれんだろうねぇ
「まあ、そんなことはどうでも良いからさ、早く装備してこいよ、俺、見てみたいからさ」
「…あ、はい」
混乱から覚めた?アイリは呆然としたまま奥の寝室へ向かっていった。
さてと。
なあ、シイナよ
〈はい、伝えないほうが良いかもしれませんね〉
だよなぁ、伝えるだったらもっと成長してからだよなぁ。
〈はい、ぶっちゃて言いますけど、私は彼女をそこまで信頼していません。万が一の為にあまりこちらの手札は見せないほうが良いかと〉
いや、俺はそういう意味で言ったわけじゃないんだけど。わざと弱い装備を与えていることに関してだけど。
〈甘い、甘すぎます、マスター。あんなチョロいヒロインなんて居るわけないでしょう!?私は認めません、絶対認めません、マスターは私のものなんです!!〉
いや、俺のものですよ、この体は
〈そうゆう意味ではないのですが…〉
ん?………あ、あーうん、ノーコメントで
〈またかよ!!!〉
で、俺達は毎日のように繰り広げている漫才という名の何かをこの後もアイリが着替えから戻ってきて声をかけてくるまで数分も続いていた。
「…ーマさん」
「…(シイナと会話中)」
「トーマさん!!」
「…ん?……ああ、アイリ。すまんすまん、ボーっとしていた」
ちゅーか、いつの間にマルチタスク切っていたんだ?…まあ、良いけど。どうせ話し込んでいただけだろうし。
声をしたほうを見た。アイリが着替えに行った寝室のほうだ。そこには頬を膨らませ、プンスカと擬音が付きそうな顔をしたアイリが立っていた。
「もう、何回も呼んだのに返事が無いからびっくりしましたよ」
「はは、いやまあ、いろいろ考えていたんだよ……って似合っているな」
アイリの格好は先程までのみすぼらしい格好とは程遠い冒険者の格好になっていた。
茶色のジャケットに紺色のジーパン、ジャケットの中には白いシャツ。革の靴に格闘家が身につけるような指ぬきグローブ。
うん、どう視ても格闘専門の冒険者にしか見えない。
あ、そうだ。
『鑑定』
◆《奴隷》アイリ ♀ 獣族 16歳
◆奴隷闘士 Lv1
HP 400
MP 50
STR 60(85)
VIT 35(57)
AGI 20(22)
INT 10
LUC 5
◆装備
グローブ×2 [S+25 V+1]
シャツ [V+5]
ベスト [v+9]
ジーパン [v+3]
レザーブーツ [v+2]
首輪 [V+2]
革の靴 [A+2]
◆スキル
《奴隷紋》
《格闘術 Lv1》
《初級火魔法 Lv1》
《健康》
◆所有者 トーマ
おおう。だいぶ強くなっていやがる。頼もしい限りで
「え?そうですか?…えへへ、ありがとうございます」
頬に両手を当てて照れている。何この子。超可愛い。
「大丈夫か?重くて動きにくいか?」
「大丈夫です、すごいですねこの防具!!着た時はブカブカだったのにすぐにぴったりになって!!それにぜんぜん重みを感じないし!!すごいです!!トーマさん!!」
と言いながら抱きついてくるアイリ。すいません、当たってます。
「あ、いやあ、まあ、喜んでくれたならありがたいよ」
それとなしにアイリの手を離して立ち上がった。
あっ とか言っていたが、…まさかな。顔も赤いし。後、シイナ。背中に抱きつくな。うっとうしい。
〈フンッ〉
ありゃりゃ、すねてやんの。…可愛いなあ。
〈…!今なんていいました!?〉
二度も言わん。……はぁ
〈フヘヘ…可愛いって可愛いって言ってくれた!!〉
おーい、帰って来い
〈は!…すいません。マスター〉
よろしい
「大丈夫か、アイリ」
とりあえず俯いているアイリの頭を撫でながら尋ねた
「あ、はい…大丈夫です」
よしよし、じゃあ、そろそろ外に出るかな。
「アイリ、(シイナ)、そろそろ出発しようか」
「はい!」〈了解しました~〉
トーマ
◆スキル
《フラグメーカー》
《主人公補正》
《フィフスジョブ》
《感覚異常 Lv16》
《秀才の凡才》
《変換術 Lv5》
◆EXP表示不可 next 職人:531,4271 賢者:132,481 アサシン:753,401 軍人:132,481
アイリ
◆スキル
《気》
《猟犬》
◆EXP 0 next 奴隷闘士:1