詩: 食べ物の気持ち
掲載日:2026/03/05
朝 お味噌汁
豆腐がふわりと浮かんで
「今日もよろしくね」と
軽く会釈しています
昼 ご飯の上の梅干し
皺だらけの顔で
「まだまだ若いもんには負けないよ」と
妙に張り切っています
夕方 炊きたてのご飯
湯気に顔を近づけると
「お疲れさま」と
一日のざらつきを溶かしてくれます
ああ 食べ物って
人の心のほころびを
そっと縫い合わせてくれてるのね
深夜 今夜の残りのきんぴらごぼう
冷蔵庫のタッパーの中で
「ちょっと味が濃かったかしら」と
しずかに反省しています




