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神獣フェンリルはテイムされたくありませんっ!〜けど俺をテイムするはずの主人公に義務教育が足りてなさすぎるのでまずは教育しようと思います〜  作者: 咲田陽
第3章 港町パディス

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48. ルーモ……それ以上はいけない

集め終わったドロップ品の分配も無事終わり(ククルトゥスたちが大分残念がっていたので、ルルフェルの取り分から1個ずつあげた)、手持ち無沙汰になったルルフェルは、墓地内のピンとくる場所に辿り着くまでうろうろし、ここかな、という場所についたら前脚で少し掘る仕草をしてから、ごろりと横になった。

自分の後ろ脚に頭を乗せるようにして、丸まる。


(あ〜やれやれ、少し休みますかっと……)

尻尾で顔を覆い隠そうとしたその時、紺くんが喋りかけてきた。


「あの、スティングホースたちが、来た通路を戻りたいって言うんですが、少し離れてもよろしいでしょうか?」

「ん?」


ルルフェルは尻尾を顔から離し、ぴくりと耳を持ち上げた。


「どうしたの?」

「雰囲気的に、彼らの餌があるみたいです。すぐ戻るので」

ククルトゥスたちの方を見たら、まだご飯中だ。ブルーファントムのメンバーとなにやら話している。


「ククルトゥスさんたちには許可をもらっています。スティングホースたちは逃げることもないだろうと」

ココラスでの一件があるせいだろう、紺くんは少しドキドキした様子だ。


「ん〜魔物が出るかもしれないし、着いていくよ」

ルルフェルはのっそり起き上がると、歩き出した。


「えっいいんですか?」

「俺も洞窟内ちょっと見てみたいし」

紺くんは心配そうに声を上げたが、ルルフェルがそう言うと、なんだか嬉しそうに、ルルフェルの隣を歩き出した。


「ありがとうございます」

「はいはい」

スティングホースと一緒に探検できるからだろうか、背中を押せばスキップし出しそうな紺くんと、先程ククルトゥスたちが開けた穴に向かう。


恐らくルルフェルがつけている魔石の反応が壁の向こう側にあったから、ククルトゥスたちはこの壁を破壊したのだろうが、それにしても派手にやったものだ。

ルルフェルと紺くんは楽々穴を通って向こう側へ行けた。


「おお!」

抜けた先の通路は、なんとキラキラと光り輝いていた。


一般的な洞窟のように岩に囲まれている空間なのだが、その天井は頭上5、6mと高く、通路自体が横幅10mくらいはあるだろうか?それなりの広さだ。

また通路の真ん中にはちょろちょろと水が通っており、ずっと遠くまで続いているようだった。

そして特徴的なのが洞窟内の下の方の壁で、その壁は青白く光る苔で覆われていた。


ルルフェルたちのあとからパカパカと入ってきたスティングホースたちが、もそもそとその光る苔を食べ始める。


「あ!もしかして!」

その様子を見た紺くんが、ぴょんと跳ねた。


「ルルフェルさま、薬草の図鑑を見てもいいですか?」

「もちろん」

ルルフェルがアイテムボックスから薬草図鑑を取り出して渡すと、紺くんはそのページをパラパラとめくっていき、とある苔類の場所でピタリと止めた。


「やっぱりあった!洞窟内に生息する苔……ええと」

「ルミナスモス」

目を細める紺くんの持つ本を覗き込んで、ルルフェルが言った。


「そう……ルミナスモス……これ、ブッチャートさんがすごく美味しいって言ってた苔ですよ」

「へええ」

図鑑のルミナスモスの文字を一文字ずつ、ぶつぶつ言いながら覚えようとしている紺くんから目を離し、ルルフェルは洞窟内を見渡してみた。


そう言われてみれば、スティングホースたちはここに来てから一度も休むことなく、必死にルミナスモスを口に詰め込んでいる気がする。


(よっぽど美味しいんだな〜)

ルルフェルは自分でもクンクンとルミナスモスを嗅いでみた。ほぼ無臭だったので、少し口に含んでみる。

ぷちゅりとした食感の少ししょっぱい味が口内に広がった。


ルルフェルはちらりと自分の隣でもぐもぐと苔を食べているスティングホースを見やる。


(肉と食べたら美味しそうな味だよな〜)


「ブッチャートさんが言うには、このルミナスモスは肉料理とよく合うそうです。ただ、採れる場所が少ないから貴重で、高級料理に使われているらしいです」

紺くんも、ぷちりと苔を少し取って、口に含んでいる。

ルルフェルは一瞬、自分の考えていることを読まれたのかと思ったが、そうではないらしい。


「おお、美味しい……!」

「その苔、取っても光ってるんだね」

紺くんの手元を見ていたルルフェルが呟いた。


洞窟内に結構な量のルミナスモスが生えているみたいだし、少しくらい持っていってもいいだろう。

灯りとしても、有効活用できそうである。


ルルフェルは一部を風魔法で壁ごと切り取り、一部は岩ごと、ポイポイとアイテムボックスに突っ込んだ。


「とりあえずこれくらいかな」

ルルフェルがアイテムボックスを閉じようとすると、「ネヒヒ……」とその様子を見ていたスティングホースたちが鳴いた。


「意外と頭いいよな、お前たち」

ルルフェルはそう言うと、再びアイテムボックスを開き、スティングホース用のルミナスモスを精一杯詰め込んだ。


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