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神獣フェンリルはテイムされたくありませんっ!〜けど俺をテイムするはずの主人公に義務教育が足りてなさすぎるのでまずは教育しようと思います〜  作者: 咲田陽
第1章 魔の森

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2. 全裸ピアス男出現ッ!ここから回復できる好感度はありますか?




「ぬわっ!?」


(何かが爆発したのか!?)

フェンリルは慌てて辺りを見渡したが、なんてことはない。


爆発したように感じただけで、実際には、薄いからし色の、毛先に癖のある長い髪がブワリと自らの頭部から溢れ出しただけだった。


一瞬何が起きたのかわからず混乱してしまったが、すぐにそういえばこちらの世界の俺はロン毛だったと思い出す。

前世の記憶を思い出したばっかりだったため、どうにも前世の感覚に引きずられていたようだ。


(日本人だったときの俺は短髪だったからなぁ)

前世の髪型は、男にしては長い方だったが、それでもギリギリ後ろで結べる程度の長さだった。


しかしフェンリルが人化した時は、昔から長い髪をしていた。それにしても昔から比べると大分伸びたとは思う。

いや、数百年手入れをしていないと思えば、全然伸びていない方なのかもしれないが。


女神の隣に立っていた時は腰の下くらいまでであったはずの髪は、今やフェンリルの足元にまで届いている。

正直、歩くたびに踏んでしまいそうで非常に邪魔くさいし、くすぐったい。


いっそ前世と同じくらいまで、バッサリ切ってしまおうかと思ったところで、ふと不安がよぎる。


(俺の髪は、どれぐらいまでなら切っても大丈夫なんだろか?)


人の姿の時の髪と、獣の姿の時の毛に関係性がないのならば、切ってしまっても全く問題はない。

だが、もし人の姿の時の髪が、獣の姿の時の毛が頭部に集中している状態なのであれば、大変まずい。


うっかり短髪にしようものなら、狼の時に所々10円ハゲができてしまうかもしれない。そんなのはあまりにも格好悪すぎる。


ううむと考えながら、フェンリルが自分の頭をガシガシと掻いていると、ふと目の前に座っている紺くんと目が合った。


紺くんは、顔を両手で隠した状態で固まっていた。いや、全てを隠している訳ではない。時折、指の間から大きな目を覗かせては、すぐさま指を閉じて隠している。

そしてその両耳ははっきり分かるほど、真っ赤だ。


「なんだ?」

フェンリルが首を捻ると、紺くんはブンブンと首を振った。


「いえ、すみません。少し驚いてしまって……!あ、あのですね、そのままだと寒いと思うので、何か着た方が……!」

もごもご言いながら、目線を逸らされる。


何を着たほうがいいんだ?とよく分からず下を見ると、フェンリルは全裸だった。


「げえ!!!」

急に羞恥心が込み上げてきて、大事な場所をサッと手で隠す。


全裸であることは、狼の姿をしているときは当然何も身につけていないし、何とも思っていなかった。

しかし今は思い出したての前世の記憶がある。長い髪のおかげで、割りかし隠れてはいるとはいえ、人間の姿での全裸はきつい。


しかも耳には女神エルサから賜わった、フェンリルの目と同じ翠色の、雫型の大きなピアスがキラリと光を反射しながら揺れている。


全裸というか、全裸ピアス男である。

ただの全裸より、靴下とかアクセサリーとか、一部が残っている方が恥ずかしい気がするのは、一体何故なのだろうか。


(普通に仁王立ちしてたよ……!これってセクハラか!?不同意わいせつ罪!!?やべえよどうしよう、全裸見せられた怨みでテイムされることってありますか!?

いやでも一応同じ男だしセーフでいいよな!?まてでも露出狂は誰に見せても逮捕されてる……いやいやこれは事故だし!)



フェンリルは慌てて人化の術を解き、再び狼の姿に戻った。

そして絶対に洋服を早々に探そうと心の中で決意する。


ほんのわずかに残っていた威厳が早くも霧散するのを感じながら、フェンリルは精一杯強がりつつ、紺くんに謝った。


「……悪い、変なものを見せたな」

紺くんは拍子抜けしたようにキョトンとした顔をしたあと、くすりと優しく微笑んだ。そして


「いえ……その、とても、えっと……かっこよかったです。筋肉美でした!」

ムキッとな!とフェンリルにものすごく気を使われた返事が返ってくる。できた子だ。


(うわーん、いたたまれねえよ〜!マジでわざとじゃないんだ。信じてくれ!)

心の中で必死に弁明しつつ、フェンリルは羞恥に前足で顔を隠すように丸くなった。


一瞬洞窟内に気まずい空気が流れたが、それをぐう、と紺くんの腹から発せられた音が霧散させる。


「む、すまん。飯だったな」

「あ、いえ……こちらこそすみません。」

今度は別の意味で赤くなった紺くんがパッと自身の腹を両腕で覆う。


「ならちょっくら狩ってくるとしよう。食べられない魔物はいるか?」

「いません」

「分かった。ああ、あと別の用事も思い出したから、帰りは少し遅くなる」

そう言い残すと、フェンリルはピョンと崖を飛び降りた。


足の着地点に魔法で板状のバリアを作りながら、ビュンビュンと森の上を走っていく。

森の中を通ってもいいのだが、フェンリルは遮蔽物が無く、スピードも出せるし、のびのびと気持ち良く走れる、木々の上を行くのが好きだった。


フェンリルのスピードは魔の森一番なので、一度狙いを定められてしまうとどんな魔物も逃げられない。

先程のことに対する、消化できていない羞恥心もあり、今のフェンリルが超がつくほど攻撃的だった。

普段は見過ごすような小さな魔物にも容赦なく大技を放ち、討ち取っていく。


「あああああ安易に人型になるんじゃなかったぁああああ!」


フェンリルの雄叫びに合わせてピカリと空気が輝き、雷のような光線が逃げ惑う魔物たちを次々と貫いていく。


要するに、フェンリルの盛大な八つ当たりであった。


大小、様々なサイズの魔物を2、30匹ほど討ち取ると、ようやくフェンリルは足を止める。

そして自分が来た道を帰りながら、魔物の死体を咥えて、空中に出現させたアイテムボックスにひょいひょいと入れていく。


ありがたいことに、この世界にはアイテムボックスがある。

魔法で作った空間に物を収納できる、便利スキルだ。

アイテムボックス内の広さは魔力の多さに比例するので、フェンリルのアイテムボックスはとても広い。


それに入れた時点のまま時が止まるので、肉が腐る心配もない。

普段はなんとなくその場で獲ったものを食べたりしているので、実はそこまで使っていなかったのだが、こういう時には非常に便利である。


獲物を全て収納し終わると、地面に降りていたフェンリルは再び高い木の上へとひょいと移動した。


そこでフム、とフェンリルは考える。

ひとまず食用になりそう魔物は狩れたが、紺くんを圧倒するにはもう少しでかい、目玉となる獲物がほしい。


(ここら辺ででかいやつ……あ)

そういえばこの前、ここら辺を棲家にしているホーンタイガーが、冒険者を数人相手にして生き残っていたな、と思い出す。


フェンリルが狩りをしに森を走っているとき、ちらりと戦闘を見た覚えがある。

確かあのホーンタイガーは身体中古傷だらけで貫禄が凄かった。


(あれくらいインパクトがある虎を狩ってきたら、きっと俺の株は鰻登りに違いない!)

フェンリルの脳内の紺くんが、目を輝かせて「フェンリル様つよ〜い!こりゃテイムなんてできないや!」とフェンリルを崇めた。


うん、うん、バッチリである。虎を狩ろう。

数回尻尾をパタパタ振ると、フェンリルはホーンタイガーを探し始めた。



お目当てのホーンタイガーは、血生臭い匂いですぐに見つかった。

頭から立派な角を生やした巨大な虎がフラフラとおぼつかない足取りで森を彷徨っている。


少し見ない間に、毒か何かにやられてしまったのだろうか?

理性は既に無く、目は白目だし、低く唸り声をあげている口からはダラダラと涎が落ちている状態だった。


「うわ、こりゃ酷い。何事?」

フェンリルは隠れている草むらの影からホーンタイガーを観察する。


するとホーンタイガーの後ろ脚の付け根部分に、深い傷があることに気がついた。

その傷口から、蛍光緑色のどろりとした液体が垂れている。

「病気……にしては色やばいし、なんか毒盛られたかな」


これは狩っても食べられない。

だが野放しにしておくのもダメな気がする。

ホーンタイガーの様子は予想外だったが、フェンリルは予定通り倒すことにした。


背後から魔力をホーンタイガーに向けて放つ。

先程と同じように、ピカリと雷がホーンタイガーを直撃した。


「!」

フェンリルの雷魔法は超強力故、一撃で大体の魔物を絶命させる。

だが目の前のホーンタイガーはまだ立っている。

それどころか、更にその頭をぐるりと回転させると、雷の出所であるフェンリルをしっかりと視界におさめ、牙を向いた。


「えぇ?なんで死なないんだよ!?」

フェンリルはバリアで足場を作ると、サッと上にあがり、優位性を確保した。

それをゆっくりホーンタイガーの目が追う。


「ならもういっちょ」

フェンリルは上から先程より魔力を込めて数発追加で雷をホーンタイガーに撃ち込んだ。


ホーンタイガーの背中の肉が焼かれ、削れていく。

しかし途中でホーンタイガーが魔法を使ったのだろう、地面の土が盛り上がり、ホーンタイガーを覆って雷を防いだ。


「はあ!?ホーンタイガーは草属性じゃ……」

フェンリルはチッと舌打ちすると、ホーンタイガーの上に先端が尖った巨大な氷柱を造り出すと、重力に任せて撃ち込んだ。


土の壁に穴が空いたことを確認すると、氷柱を形成している魔力を霧散させることにより、氷柱をパッと消し去る。そして間髪入れずに穴から風魔法をぶち込み、バリア内を空気の刃で縦横無尽に切り裂いた。


ホーンタイガーは逃げられなかったのだろう。

土の壁がぼろぼろと崩れ、中にいた傷だらけのホーンタイガーがドサリと倒れ伏した。


フェンリルはその側に着地すると、念の為ホーンタイガーの首を風魔法でスパッと切り落とす。


「ったく、こういうとき全属性使えるのってほんと助かるわぁ」


普通の魔物は、生まれ持った属性の魔法しか使えない。

基本は1種類、上位種に時々2種類使える魔物がいる程度なのだ。

そしてその属性は、魔物の種類によって大体決まっている。


(ホーンタイガー種は草属性のはずなんだけどなあ。異常個体だったのかな?)

フェンリルはやれやれと死体をアイテムボックスに仕舞った。

今日はイレギュラーの多い日である。


ちなみにフェンリルは元々風属性と雷属性持ちだったが、女神の祝福を受けたことにより全属性を使えるようになっている。


(ちょっとだけびっくりしちゃったよ、俺がチートで良かったぁ〜)

フェンリルはぴょんと森の上に戻って、なんとなくブルブルと首や頭を震わせた。

よく言う犬ドリル、フェンリル版である。


(さて……)

フェンリルは思考を切り替えた。

ホーンタイガーは食べられないが、こんなのもいた、とちらりと紺くんに見せびらかせば、十分圧倒できるだろう。

ご飯用の狩りをする……ヨシ。


ならば今度は先程紺くんに伝えた「別の用事」を遂行しなければならない。

フェンリルの別の用事……それは洋服を調達することだった。


幸い、魔の森は出る魔物の数が多いからか、それを狩りに入ってくる冒険者の数もそれなりにいる。

その冒険者に自分と背丈体格の似てる人がいたら、着替えを1着、先程狩った魔物の肉の一部と交換してもらえないか交渉するつもりだ。


フェンリルは人間の気配がする箇所を、近いところから順番に覗いてみることにした。


フェンリルがいるところから1番近い場所にいた冒険者たちは5人組の男性のパーティのようだった。

しかし、どうにも様子がおかしい。


似ている服装をした5人の男たちは、4対1に別れ、何かを言い争っている。

彼らは全員武器を取り出しており、一触即発な雰囲気だ。


だが、そんな空気などものともしないフェンリルは、1人で4人と対峙している男が、自分と似た体格であることに気がつくと、とすんと木から降り、男たちの間に立ち塞がった。


「ちょっと失礼」

「うわぁああああ!?ふぇ、フェンリル!フェンリルだあっ!」

「……!」


急に目の前に神獣フェンリルが出現したパニックで、4人の男達の方はすっ転がりながら、我先にと逃げ出した。

1人など、臭いからして股間を濡らしている。

そこにチームワークなどはなく、4人ともてんでバラバラの方向へ走って行ってしまうのを、フェンリルは冷たい目で見ていた。


フェンリルをみても一応腰を抜かさなかったし、この森にいるということは、4人ともそれなりの実力者なのだろう。

しかし冷静さを失ってしまったら、恐らくこの森から出ることは叶わない。

パニックになっているところを他の魔物に襲われて終いだ。


一方、1人残された赤髪の男の方は、逃げ出したいだろうに、小刻みに震える両脚にグッと力を入れて、その場で耐えている。

フェンリルに向かって武器も構えており、臨戦体制だ。

この冒険者はなかなか骨があるようである。


「敵意はない。少し交渉がしたい」

「やはりしゃべっ……!交渉……!?」


フェンリルが言うと、男は警戒するようにフェンリルを見た。

その目に「信じられない」とはっきり書いてある。

まあ信じがたいのも分かる、とフェンリルは肩をすぼめた。


前世を思い出す前のフェンリルであったならば、問答無用で男の頭蓋骨を噛み砕いてから、彼が着ている服を奪い取っただろう。

(でも思い出しちゃったもんはしゃーない)


「もしよかったら、服を一式譲ってほしい」


改めて目の前の男の服装を見ると、他の冒険者の服と違い、大分金がかかっている気がする。

普通の冒険者は鎧をつけていたり、動きやすい服装をしている筈なのだが、男の服装は、所属する部隊のマークなどが無いだけの軍服のように見えた。


本当に冒険にそれいる?って感じの飾りが所々に施されており、ご丁寧に、肩から長いマントが足元まで伸びている。


(確かこの作品の舞台は、異世界転生ファンタジーにありがちな、なんちゃって中世ヨーロッパだし、貴族出身とか、金持ち冒険者の流行りの服なのかもな……)


それらを店で買うなら一体幾らになるのか、こちらの世界の人間の生活に疎いフェンリルには想像もつかない。


(これと交換ってなると、魔物何匹くらいだろうか?さっきので足りるか?)


フェンリルが心配で眉間に皺を寄せて考えていると、フェンリルは不機嫌なのだと受け取られてしまったようだった。


「この服でどうでしょうか?」

焦った男が、手早く着ているものと同じ服を一式、彼のアイテムボックスから取り出して差し出してきた。

「全部差し上げるので、今は見逃して頂きたい」


「ん?」

なんだかカツアゲみたいになってないか?とフェンリルが首を捻り男を見ると、それを「足りない」と言われていると勘違いし、更に焦った男がアイテムボックスからブーツやら下着類、靴下などを追加で取り出した。


「全部新品です。だからどうか……」

それらをフェンリルの前に並べると地面に膝をつき、頭を垂れる。


(……まあいいか。)

意図せずに奪い取ってしまった形にはなったが、フェンリルは気にしないことにした。


日本人時代の俺が「えー!?」と不満げな声をあげているような気がしたが、これでフェンリルが対価を支払った方が男は警戒するだろうし、少し得をしたと思えばいいのだ。


「しばらく反対側を向いていてくれ」

「?はい」


男に背を向けさせると、フェンリルは人の姿になった。

そしていそいそと男が差し出してくれた服に着替えていく。


前世の知識や過去の人間だったときの記憶もあり、それなりに形にはできたのだが、何だか肩の辺りにやたらと紐が多いし、謎のベルトも幾つか地面に転がったままだ。


「くっ……どうなってる!?」

フェンリルがもぞもぞカチャカチャ格闘していると、フェンリルが何をしているのか察した男が「もしよろしければ、お手伝いさせて頂いてもいいでしょうか?」と言ってきたので、ありがたくお言葉に甘えることにした。


振り返り、フェンリルと目が合った男は、少し驚いたように目を見開く。

しかしその場では何も言わずに、散乱しているベルトを1本拾うと、「失礼します」とフェンリルに装着し始めた。


「うむ、頼む」

フェンリルは男の動作を目で追い、どこに何を着けるのか覚えようとしたが、どうにも無駄な装飾が多い気がして途中でやめた。

そしてあとで幾つかの装飾は取っ払ってしまおうと決意する。このままだと歩くたびにガッチャンガッチャン音が鳴る歩く楽器になりそうだ。


「知りませんでした。フェンリル様は人の姿にもなれたのですね」

フェンリルが装飾について考えながら遠い目をしていたら、胸の辺りに謎の紐を付けていた男が口を開いた。


「とても美しいお姿で驚きました」

「そうか?」

フェンリルの感覚でいえば、目の前の男の方こそ整った外見をしている。

女性が放っておかなそうなキリリとした美青年だ。


(ケッ)

フェンリルは脳内で毒づいた。


(ま、褒められるのは嬉しいけど、男に褒められてもな……それに今の俺は髪ボサボサで野蛮人のようなのでは?あ、待てよ、わかったぞ。これおべっかか)


片眉を上げたフェンリルは、ム、と口を尖らせた。

(ひょっとしてまだ俺が殺すつもりだって思ってんのか?)

それとも見返りを求めているのかもしれない。


男は5人パーティに所属していたのに、先程仲間だったと思われる4人が居なくなってしまい、今は少しでも助けが必要なのだろう。


フェンリルが観察する中、男は最後の紐をつけ終えた。


「終わりました。」

「ああ、ありがとう。礼に、もし街に行くなら送るがどうする?」

「えっ?」


1人では生存率がガクリと下がる。

高級そうな服一式をもらってしまったし、お世辞を言うほど命を大切にしているのなら、安全な人間の街まで送ってやろうとフェンリルは男に提案した。


幸いフェンリルの速さだと、自宅である洞窟からも見える距離にある最寄りの街まで、2、30分も全力で走っていれば着く。


ちなみに紺くんの住んでいる村ではない。

あそこはその村自体が他の街から離れているし、よそ者は歓迎されない。


「では、お願いできますでしょうか……「分かった」うわっ……あああああッ!?」

フェンリルは男が了承するや否や、その両脇をしっかりと掴み、幼児を高い高いするように、男をビュンと思いきり頭上へ投げ飛ばした。


そして男が空中に浮かんでいる間に、サッと狼の姿に戻ると、男がフェンリルの背中に乗るかたちになるように、ジャンプした。

男を背中に乗せた状態で、ふわりと木の上に降り立つ。


「少し揺れる。しっかり捕まっていろ」

「わ、かっ……だッ」

ビュンと走り出したフェンリルの首周りを男が必死で掴んでいる。

最後の方、舌を噛んでいるような気がしたが、大丈夫だろうか。





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