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神獣フェンリルはテイムされたくありませんっ!〜けど俺をテイムするはずの主人公に義務教育が足りてなさすぎるのでまずは教育しようと思います〜  作者: 咲田陽
第2章 城壁都市ココラス

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30. 子供から目を離すな 4

ルルフェルはばくりと端に立っていた黒服を咥えると、大きく振りかぶって残りの黒服に向かって投げ飛ばす。


「うわぁああああ」

黒服たちはボウリングのピンのように吹き飛ばされ、積み重なっていく。

ボスが何もできずに固まっている前で、あっという間に黒服たちの山が出来上がった。

その山の上に、ルルフェルが片足を置く。

下から潰れたカエルのような声が聞こえたが気にしない。


「人身売買しているんだろう?子供たちをどこで誰に売っているんだ」

低く唸りながらボスを脅す。


「ヒッ…………!」

ボスは先程の威厳はどこへやら、ブルブル震えながら椅子の上に縮こまっている。


「の、望みはなんだ……!」

「だぁから人身売買してる子供たちの行き先だって。もー、早く言ってくれよ」

煮えを切らしたルルフェルは、ボスを咥えあげると、部屋を出て入り口へと戻る。


「うわ!?」

「ぎゃああ!」

「なんだ……っ」


途中で出会う男たちを、気絶する程度の稲妻で撃ちながら足早に進む。

最後に入り口付近で、まだ口論の最中だったダグに一撃お見舞いし、ルルフェルは外に出た。

もちろんエリーは無事である。

ポイとボスを道端に放り投げると、ボスは涎でべっちょり濡れた身体をハムスターのように縮み上がらせ丸まった。


「ヒイイ!」


「おい、終わったのか?そいつは……」

ルルフェルが出てきたことを確認したククルトゥスとキーリが怪訝な顔で近づいてきた。建物の上から降りてきていたのだろう。


「こいつがここのボスだ。あとの残党は全員中で気絶してる」

「はぁん……窓から急にピカピカ光が点滅してるのが見えたから何事かと思ったぜ……」

ククルトゥスは後頭部を掻いて建物の中に入って行った。


「念の為拘束とかしとくかな……」

キーリはククルトゥスと入れ替わるように建物の中から出てきたエリーと抱きしめ合っている。


「おい、子供たちはどこだ」

ルルフェルがボスの脚を軽く咥えると、ボスは金切り声を出し自分の脚を引っ張った。


「海賊どものとこだよ!馬車でパディスの港町に連れてって海賊どもに売ってる」

ボスは慌てて引っ張り出した自分の脚を抱え、さらに丸まった。


「で、その馬車はどこだ」

「も、もう今日のは出ちまってるよ、あ、あっちの方だ」

ボスが震える手で1点を指差した。


――――――



馬車は広場から徒歩15分くらいの、薄暗いが広めの路地に止められていた。

既に出発していると聞き、焦ったルルフェルだったが、予想に反してその馬車はまだ出発していないようだった。


「えっ!?なんで出てないんだ!」

再びルルフェルに咥えられていたボスが自分の状況を忘れ、プン!と怒り出したので、バチリと強めの電撃を喰らわせ気絶させる。

黒焦げになり煙を吐いているボスをペッと投げ捨てると、ルルフェルは馬車に近づいた。


「いてぇっ!こいつ噛みやがった!」

突然馬車が大きく揺れ、中から荒らげられた男の声が聞こえる。


「かえせっ!それは僕の大切な……アッ」

続いてドサリと誰かが馬車の中で倒れた音がし、スッとルルフェルの肝が冷えた。


「この……っ」

馬車の中では、御者が腕を振り上げているところだった。

だがその拳が振り下ろされるよりも早く、御者は窓を突き破り侵入してきたフェンリルの顎に捕らえられ、馬車の外へと引きずり出された。


「ぐっ……」

ドッと御者の身体が硬い地面に打ち付けられる。


御者が痛みとパニックでぐるぐると回る視界におさめたのは、マズルに深い皺を寄せ、白く鋭い牙を剥き出しにして激怒しているルルフェルの姿であった。

今日から1日1回、朝7:30の投稿になります。

時々追加で16:00や20:00に投稿するかもしれません。

気になったら、お手数をおかけしますが、ブックマーク等して頂ければと思います。

(作者のモチベにもなるので……!涙)

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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