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26話 ずっと一緒
真栗の叫びが、夜の静寂を引き裂く。
銃声が響き、直人は必死に走り続けた。
「真栗!」
振り返る余裕もなく、足は震え、肺は痛んだ。
だが、振り返らなかったのは、彼女を守るためでもあった。
逃げるしかなかった。
この夜明けが、彼らの“罪と愛”の旅の始まりだった。
暗い路地を抜け、二人はバス停へと辿り着いた。
薄明かりの中、息を切らせながらも、真栗は直人の腕を掴む。
「次のバスでここを離れよう」
切迫した声に、直人は頷く。
彼らにはもう、学校も故郷もなかった。
列車の窓から見える街の灯りが遠ざかる。
二人は無言で座り込み、過去を振り返る暇もなかった。
「逃げてる間も、追われるんだろうか」
直人がつぶやくと、真栗は静かに答えた。
「うん。でも、逃げることに意味があるんだ。
私たちが選んだ未来を、自分たちの力で掴むために」
暗闇に包まれた夜の中、二人は初めて“名前のない逃亡者”として肩を寄せ合った。
過去の罪も、裏切りも、すべてを背負って——。
「ねえ、白川くん」
真栗が小さな声で言う。
「これからは、誰にも捕まらない。
ずっと一緒に……」
直人は微笑み、強く頷いた。
「うん、ずっと一緒だ」




