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25話 運命なんてものがあるのなら
振り返ると、橘と佐倉凛花、そして数人の職員が立っていた。
「お前たち、どうしてここに……?」
直人は一歩前に出た。
「もう逃げられない。俺たちは、これが最後の行動だ」
真栗は直人の手を強く握った。
「正義を捨ててでも、俺はお前を守る」
その瞬間、橘が銃を取り出した。
「動けば撃つ」
(なぜ銃を……いや、そんなことはあとで考えろ)
沈黙の中、直人は目を閉じた。
だが、次の瞬間、真栗がとっさに前に飛び出した。
「やめて!私を撃って!」
その決死の行動に、現場は一瞬凍りついた。
「逃げて、直人!」
真栗の声に、直人は一瞬躊躇したが、咄嗟に走り出した。
背後で響く銃声。
真栗の叫びとともに、二人の運命が大きく動き出す。




