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23話 どこまでも一緒に。
金庫が開く音が静かに響いた。
中には現金の束と、書類の山。
その中に、隠し口座の取引記録が入ったUSBもあった。
「これで、逃げる資金は確保できる」
真栗が現金をまとめる。
「でも……これが発覚したら、生徒会だけじゃ済まないわね」
直人は胸が締め付けられる思いで、真栗を見た。
「でも、今は逃げることが最優先だ。
俺たちが自由になるために、最後までやりきろう」
二人の間に言葉は少なかった。
ただ、確かな決意と信頼だけがあった。
その時、遠くから物音がした。
「誰か来た!」
直人が声を上げ、急いで金庫を閉じた。
背後から足音が迫る。
緊張がピークに達した瞬間——
突然、ドアの向こうから叫び声が響いた。
「待て! 警察だ!」
—
2人は全力で逃げ出した。
金を抱え、背中に追跡の気配を感じながら。
「これで終わりじゃない。これから本当の逃避行が始まる」
真栗は目を輝かせて言った。
直人もまた、決意を新たにした。
「どこまでも一緒に行こう」




