表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の心を盗むまで  作者: ムポゥ神父


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/29

19話 共犯者Aと、共犯者Bと。

その夜、2人は小屋の床に寝転がった。


眠れなかった。

警察や教師に追われることよりも、“この時間が終わってしまう”ことの方が怖かった。


「白川くん、私ね……一度だけ、盗みをやめようと思ったことがあった」


「……いつ?」


「中学2年のとき。万引きで捕まりかけたの。

 でも、親はね、“そんな子じゃない”って信じきってた。警察も学校も、全部うやむやになって、私は守られた」


「よかったじゃないか」


「違うよ。——私は、“ちゃんと罰されなかった”せいで、やめられなくなったの」


その声には、かすかな震えがあった。


「“またバレても許される”って、どこかで思ってた。でも今は違う。

 白川くんと逃げるなら、ほんとに全部失うんだって、ちゃんとわかってる」


直人は、小さく言った。


「だったら、俺たち……きっと今、初めて“正しく罰を受けてる”のかもな」


それはどこか、救いのような言葉だった。


真栗が、顔を横に向ける。


「——ねえ、名前、変えようか。偽名じゃなくて、2人だけの名前」

「……どんなの?」


「“共犯者A”と、“共犯者B”」


「ふざけてんのか」


「ふざけてないよ。

 この夜を越えたら、私たちにはもう、“どこにも名前がない”んだよ。

 だったらせめて、罪で繋がった“名前のない私たち”を……自分たちで決めたいじゃん」


その提案が、泣けるほど愛おしかった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ