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君の心を盗むまで  作者: ムポゥ神父


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16/29

15話 好きなところ

火曜日、深夜。

人気のない川沿いの道。風が冷たく、夏の終わりを告げるようだった。


真栗は、駅のベンチに座っていた。

その隣に、制服のままの直人が立っている。


「……明日、盗みをやめるなら、今夜がリミット」


真栗は空を見上げながら言った。


「金曜の総会で会計室が空になる。でも、それを待てば待つほど、“誰か”に捕まる可能性が高くなる」


「……あの密告文。今思えば、完全に俺とお前のことを見てた内容だった」


「うん。たぶん、かなり近くにいる。“友達”のふりして、ずっとこっちを見てた誰か」


風が吹く。

真栗の髪が揺れ、月光がその頬に影を落とす。


「でもさ、白川くん」


真栗は、急に笑った。

いつもの、柔らかくて綺麗な笑顔。


「裏切られてもいいから、逃げたいって思う夜が、私にもあるんだよ」


「……どういう意味だ?」


「私が裏切ってたらどうする? 密告者が私だったら。

 警察に全部流して、今この瞬間、制服警官が角から出てきたら……それでも私と逃げる?」


直人は、答えられなかった。


いや、答えたくなかった。


(信じたい。でも、確証なんてない。けど……)


「……逃げよう。お前が密告者じゃないことを、俺が証明する」


その言葉に、真栗の表情が一瞬止まった。


「バカだね。

 でも……そういうとこが、私、最初から好きだった」


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