人物紹介的な閑話 ヤブイシー・ナーセル
ヤブイシー・ナーセル
種族:人間
性別:男性
年齢:16歳
ダクタエックス王国に仕えるナーセル子爵家の次男、主人公のドゥサードの腹違いの弟である。長男ドゥサードを出産したもののそれからすぐに亡くなってしまった前妻の後に嫁入りしたニナパープが出産した子、母譲りの金髪を持ち目立つ容姿をしている。
たいていの貴族家が行っている子弟の養育は外部から師を招き行われるものだが、ヤブイシーは母が自ら行った。また、ある程度の年齢となり学問や武術などに触れるようになると師となる人物は母が自ら選抜した。その甲斐あってか文武両道、人間的な深みもある人物と噂が広まる。学院に通うようになってからは兄と同じ薬師の道に進み、王城付きの薬師になる事を目指した。
その学院での生活を送るうちに兄ドゥサードの婚約者である辺境伯令嬢のラフレシアと知り合う。同じ年齢であり兄の婚約者でもあるラフレシアとはなにかと接する場面が多かった事から交友が深まり、反対に王城付きの薬師として多忙を極めるようになった兄のドゥサードは学生であり暇な時間も多かったラフレシアとの距離が開いていった。その間に割り込むような形でヤブイシーはラフレシアとの仲を深めていく。
ラフレシアはわがままであり尊大な性格であったが、おだて持ち上げておけば満足するような単純な性格でもあった。この事は年少の頃から母が何かとそばにおり、その顔色を窺いながら過ごす事には長けていたヤブイシーにとっては扱いやすい気性である。似たような性格の母とラフレシア、しかし母の方が当然ながらずっと歳上であり感情の起伏や考え方などもより複雑だ。その為、ヤブイシーがラフレシアの心を掴む事は容易な事であった。
いつしかふたりは親密になりラフレシアは婚約者をヤブイシーに変えたいと言うようになる、それを聞いたヤブイシーは兄に成り変わり王城付きの薬師と騎士爵の座を…そして勢いのあるマエナール辺境伯家の令嬢ラフレシアを妻に迎えて立身出世や栄耀栄華を欲するようになる。
そしてヤブイシーはラフレシアを抱き込み婚約破棄をさせ、学院に在籍しながら同時に王城への出仕をたくらむようになる。しかしそれが自身の破滅につながろうとは…、兄の廃嫡を成し遂げ明日からは王城への出仕をする事になってほくそ笑んでいるヤブイシーは爪の先にも考えてもいなかったのである。
次回からざまあ展開が始まる!
王城への初出仕!得意満面のヤブイシーは国王との面会はなかったが、その妹であるユーリアから招きを受ける。
「そうかそうか、さすがに初日から陛下との謁見はかなわなかったが王妹殿下からお呼びを受けるとは…。こりゃあオレの評判は思った以上に高いって事だよな!ククク…、それにユーリア殿下はまだお若く夫を亡くされたばかりだとか…。もしかすると…」
嬉々としてユーリアの元に向かったヤブイシーだったがそこでは…?
お楽しみに。