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個性的かどうかだなんて……

作者: 歌川 詩季

 個性的であろうなんてしません。


※ THE,御老体ズ主催の【個性満開エッセイ祭り春の陣】参加作品です

 私が個性的かどうかだなんて、あまり考えたりはしない。


「わたしは個性的な人間です」


 そもそも、個性的な人間はそんなふうにアピールはしないだろう。

 アピールするまでもなく、個性ってやつはあふれるものだとゆうのもあるが。そうゆう連中には、「個性的」だなんて抽象的な言いかたをせずに、もっとそのものズバリと的確なことばがあるはずだろうから。


 ひとことで個性なんて言われれば、だいたいのひとは、長所をあげようとするだろう。

 あいにく、私はこれといった長所はもちあわせておらず、これでは私は個性的ではないという結論に結びつきそうだ。

 ところが、わりと私はひとからおぼえられやすいタイプらしく、「平凡」とゆうわけでもないらしい。

 おそらく、それは短所のせいだろう。

 長所が見当たらなくとも、短所が際立っていれば「個性的」となりえるのではないか。


 月はまんまるの満月から出っ張るのではなく、欠け落ちて、そのすがたを日々かえてゆく。


 ふつうは長所と短所を併せて、「個性的」と称されるのであろうが、私のようなポンコツは多くの短所でがたがたに欠け落ちて個性を得る。


 短所としての欠け落ちかたがきわだっていて、私は個性的な人間です。


 それはそれで、納得のいくこたえである。

 あなたは個性的ですか?

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― 新着の感想 ―
短いながらも充分に個性について考えさせられるエッセイですよね(^^ゞ クラスで全然目立たない子には「隠密性」という個性があるのだと私は思っていました。 ホームルームで何かの代表や係を決める時、よく私は…
短所も“個性”って言ってもらえるの、なんだか救われました。 やわらかい言葉と月のたとえが素敵で、ほっとするエッセイでした!
 なかなか厳しい問いかけの作品です。  私だとどんな個性になるのか……。  多分、鏡という名のモブじゃないかな?
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