95 魔道具師の意地?
「子供ってさ、魔力の回転と魔力量が比例する傾向があるから、それを探知してるんじゃない?例えば、魔力の回転数をグラフとして表すとか」
「そういう魔道具?って作れるものかしらぁ?」
「ダンジョン産魔道具か?」
「えっとね、技術があれば作れるよ。何せ、年齢による回転速度や頻度の傾向について提唱した魔法使いって、私だよ?」
「「「そーなのか⁉」」」
全員の声が一致した。
「ノート見せようか?」
「でも、子供が沢山いる中で、魔道具を起動させる場所が必要ですよね。そういう事ができる場面っていうと、何処になりそうでしょうか」
「多分、お店のカウンターとかじゃない?板状ならメニューが書いてある看板とか。絶対に立ち寄るでしょ?親が子供を捨てようとしてない限りは」
「あ、あの~。今回の件に関係あるか知りませんが、年齢を言いながらくじを引いて、くじの用紙に色が付いているとお菓子か飲み物をプレゼントする移動屋台があるって聞いたことがあります」
「それじゃん、まんまそれじゃん。私が作った奴、それとほぼ同じなんだけど。計測器」
ラーノさん、良く知っていたなぁ。むしろ、一般市民だからこその情報網だろうか。
そして、しれっと自分の研究を悪用されているリン…。
「けど、何でだろ」
「何が?」
「いや、計測器は披露した後、収納空間に投げ入れたからさ。どうやって作ったのかな~って」
「それはぁ、魔道具師をナメた発言ねぇ。出来るとわかれば、試行錯誤して作りたくなるのが魔道具師よぉ。私も研究すれば、出来ると思うわぁ」
「確かにそうなんだけどさぁ…一度に大量の魔力を込めないといけないから、どんな魔力量なら作れるんだよ!って話なんだよね…」
「まぁ、方法はあるわよぉ。魔道具の回路を効率的に組むとか。リンは魔力量お化けだから、力技で押し切れるんでしょうけれどぉ…。ただぁ、それだけの技術を持つ魔道具師って限られるのよねぇ…。ちょっと最近の動向を探ってみようかしらぁ」
読んでいただき、ありがとうございます。




