7 バルでの朝食
読んでいただき、ありがとうございます!
「にゅあ~!朝だにょ~!起きるにゃよ~!」・・・うぅ、脳内パソコンから、モーニングコールが届いた・・・。っていうか、なんで猫口調なんだろうか??謎である。
二度寝したいなぁと思っていると「蹴るよ?!」と声がする・・・。いや、脳内パソコンなんだから足ないでしょ。おまけに猫口調も無くなっているし!いい加減、脳内パソコンと呼ぶのは面倒くさいから、名前を付けてみよう。「命名!あなたの名前はフェリスよ!」と言ってみると
「やったにゃ!ネームドパソコンになれたにゃ。フェリスにゃん。よろしくにゃん!」
ネームドパソコンってなんじゃそりゃ。
とりあえず、身支度をしてギルドへ出勤しなくては!朝ごはんは、ギルドのバルで食べればいいしね。ギルドが徒歩3分の距離にあるから、ギルドのバルは自炊をほとんどしない私には非常にありがたい存在である。おまけに営業時間は朝6時~夜11時までと長い?
ギルドの朝は早い。なぜかというと新しいクエストが掲示板へ貼り出されるのが大体午前7時頃になる。少しでも条件の良いクエストを手に入れようとして、冒険者は午前6時ころから集まりだして、バルで朝食を食べながらクエストの貼り出しを待つからだ。
ギルドに着いたのが大体6時頃だったこともあり、顔見知りの冒険者の顔がチラホラと見える。
「おっ!リリーさんじゃん!今日もバルで朝食Aセット頼むの?」
「おはよう、ソレノドンさん。もちろんAセットですよ~。Bセットはボリューム満点で、冒険者向きじゃないですか」
「こんな風にな!」
ソレノドンさんが持っているトレイには、固い丸パン、前日のバルで残った食材を使った具だくさんスープ、チーズが乗っている。Bセットは味は今一つなことが多いが、腹持ちが良くボリューム満点である。ちなみに私が注文するAセットはクロワッサン、目玉焼き、コーヒーであり、どちらかというと内勤のギルド職員向けのメニューである。
「そういえば、リリーさんが倒れたって聞いたぞ。冒険者も職員も体が資本だから、休養も仕事のうちだぞ。ギルド長室で監視されながら今後は仕事するって聞いたが、ギルド長も何を考えているんだか・・・」
「あはは・・・流石はベテラン冒険者、耳が早いですね。監視というか仕事の進め方に無駄がないか一緒に見てくれて、体に無理がかからないような方法を探してくれるみたいです」
「それなら良いけどよ。リリーさんの仕事ぶりが不当に評価されたりしたら、俺たちに言えよ!抗議してやるから!」
「ありがとうございます。ないとは思いますが、もしもの時にはお願いしますね」
「おう。じゃあな~」
「食べられるときに食べ、休めるときには休む」というのが冒険者を長く続けるコツだと、以前ソレノドンさんが言っていたことを思い出した。ソレノドンさんは面倒見が良く、後輩冒険者のフォローをしているところも見かけることが多い。きっと私のことも同じように見てくれているんだな。なんだかうれしい・・・よし、食べるか?