67 ストレス発散
自分の予想外の事をしでかす部下や同僚がいると、ストレスが溜まりますよね…
ドッゴーン‼ドッガーン!
「ちくしょう、いつもいつも面倒ごとばっかり持ってきやがって‼こんのぉ、歩く非常識野郎が‼」
「ひどくないかなぁ!?ストレス発散道具になっちゃってるし!」
「俺もやりたいんだけど‼ちなみに、刃物とか使っても大丈夫?」
「もうええわ!勝手にしてよ!」
漫才か?フフフ、私もやってみよっと。
どこの工事現場だろうかという音と叫び声が半日以上続き、不貞腐れたダンジョン主を心配したダンジョンコアによって強制終了させられた。
「えっと、拾ってきたダンジョンコアのシチフクね」
それは突然だった。私達の前に陸亀が現れたと思うと、右足を持ち上げてドンと床を叩いた。硬かった壁や床が一瞬にして、バルーン遊具のように変化してしまった。
「主が不機嫌になってるの、困る。クロも不機嫌になるし、魔力も安定しなくなる‼メッ‼」
どうしてダンジョンコアが陸亀になった?普通は大きな結晶とかだよねぇ⁉
「初めまして、シチフク。私達はちょっと実験させてもらっていただけなの。リンさんが不機嫌になると困るのね。ごめんなさい」
「うん。気を付けて。あと、主は撫でられるの好き。褒められるの好き。寝るの好き」
「シチフクはね、ダンジョンコアっぽいものに私が名付けしたら姿が変化して、今の状態になってるの。本質は変わらないから、あまり気にしないで」
「ダンジョンコアに名付けしたら、陸亀になったのか。相当な魔力を必要とするはずなんだが、リンだから仕方ないか。リン、自分の家がダンジョンだと認めろ。話が先に進まない」
「へーい。というか、アンボイナの撃退方法の参考になるかもだし、書斎に行こっか。実験室や、物置も見てって」
リンさんの家だから、色々な物とかごちゃごちゃと置いてありそう…。
そう思いながら、書斎のドアを開けると意外‼スッキリと整理整頓されていた。本棚には整理番号とおぼしき番号が振られているし、どうやら購入している本と自分が書いた研究ノートはブロック分けされているみたいだ。
「すげ~綺麗だろ、俺はこの書斎に入った時にびっくりしたぜ!」
ソレノドンさんだけでなく、ここにいる全員がそう思っているみたいで、呆気に取られている。リンさんは、エッヘンと胸を張ってドヤ顔をしている。
「本当に綺麗に整理整頓されていて、事務職の才能を感じます!」
「そこに才能感じないで!?とはいっても、私だって研究者だからね。整理整頓は当たり前!」
「S級冒険者で、危険度Sランク冒険者ですよね⁉どこに研究者の要素が?」
「私、魔術師!」
(((そ~なのか~???)))
心の声が一致した私達だった。
読んでいただき、ありがとうございました。




