5 働きすぎ疑惑
読んでいただき、ありがとうございます。初投稿、ゆるゆる設定、ご都合主義ですので、至らぬ点が多数あると思いますが、広いお心でご覧いただければ幸いです。
夕食を食べてシャワーを浴びたら、ベッドの上で久しぶとなるのんびり時間だ。そう言えば、不思議なパソコンはどうやったら起動するのかな?「にゃんこパソコン起きて~」と頭の中で思っていると「にゃぁ~」という鳴き声とともにパソコンが現れた。
まずは、どんな機能があるか確認しないとね!事務でよく使う表計算ソフト、ワープロソフトが入っている~。他にもソフトが入っていそうだけれども、開こうとすると『現在ロックがかかっています』というエラーメッセージが出てしまった。
まずは、先ほどの試験問題データを呼び出してみた。字体を選べるようだから、「手書き風」を選択してっと。印刷ボタンがある・・・プリンター接続しているのかしら?と思いつつ、印刷ボタンを押してみた。
「紙がないから印刷できないにゃぁ。紙を持ってくるにゃぁ。」
確かに・・・紙がないと印刷できないよね。医療スタッフに紙を借りようとすると、「リリーさん、ギルド長から『仕事させるな』と厳命が出ています?」と言われてしまった…。ぐすん。
印刷にチャレンジするのは、明日以降にしよう・・・と思いながら、すごすごとベッドの上の住人となった。そして、検診の身体測定(体重含む)結果を見て、ギルド長に知られることへの恥ずかしさのあまり眠れない夜を過ごしたのだった。
外が明るくなってきた…大体6時位かな。冒険者ギルドの受付窓口は忙しい時間帯を迎えている。冒険者へのクエスト依頼票(2枚1組)を掲示板へ貼り出していくと、待ち構えている冒険者たちが少しでも条件のいい依頼票を剥がして、受付窓口へと持っていく。
冒険者が何のクエストを受注希望なのかをざっと見たら、冒険者ランクに見合ったクエストなのかを確認する。OKならば、そのクエスト依頼票へ受注した冒険者の名前またはチーム名を書き込み、1枚を冒険者へ渡す。ギルド職員が不正に違う名前を書かないように、冒険者ライセンスカードと連動するように制約魔法がかかっている。
昔はクエスト票は1枚でギルド保管のみだったらしい。過去にギルド職員が賄賂をもらってクエスト達成を別のチームがしたことにしていた事案があり、今では不正防止のために同じ内容のクエスト依頼票を冒険者側も持つことになったのだ。
そろそろ、医療スタッフが来てくれるころかなぁ。急いで朝食を食べれば、カウンター業務のヘルプにも入れるよね、と思っていたらアゲートさんが朝食を配膳に来てくれた。
「お待たせしました!朝食です~。40分後にギルド長室へ来るように伝言を預かってきました。あ、医療フロアからの退室許可が出ていますので、左手首に退室したら消滅するリストバンドをつけておきますね。このリストバンドがない人が医療フロアから出ようとすると、ひどい目に遭うんですよぉ」
へぇ・・・どんなひどい目に遭うのかしら。知りたいような知りたくないような。っていうか、ギルド長室へのお呼び出しって・・・やっぱり『丸ごと検診パック』の結果を受けてだよね。うぅ、行きたくないなぁ。
読んでいただき、ありがとうございました。