41 玩具…とは
読んでいただき、ありがとうございます。初投稿、ゆるゆる設定、ご都合主義ですので、至らぬ点が多数あると思いますが、広いお心でご覧いただければ幸いです。
「真偽判定できる魔道具を持っていくわねぇ」
「なんなら、このジョンが直々にお話相手を務めてもいいよ!」
「まぁ、ジョンが話し相手になるのは最後の手段かな。リン…というかクロの意向も確認してからだ。一応アブソーブとしてはボスが捕った獲物だからな、ボスから部下へ獲物が下げ渡されずに、自分を飛び越えて他の群れへ獲物が渡されるのは我慢できないかもしれない」
ソレノドンさん、ラーノさんは気配を極力薄くして地下3階へついてきた。この2人、視認しないといないと思ってしまう。斥候職、狩人はすごいなぁ。
地下3階にある犯罪者隔離・懲罰エリアはいくつかのブロックに分かれている。今回は盗賊10人という事なので、中規模の広さがあるブロックを使うことにした。盗賊に囚われていた人達は、すでに別室でメディカルチェックを受けてもらって、馬車で送り届けるよう手配済みだ。
「ただいま戻りました~。はい、盗賊っていうか敵の騎士」
リンさん、タイパンさんへ完了報告をちゃんとしている‼タイパンさんも、『よくできました』という表情でリンさんの頭をぐりぐりと撫でまわしている。リンさんとクロの表情が嬉しそうで、ほっこりする光景だ。後ろにいる変なオブジェ化した敵さえ見なければ。
何故だろう、犬が獲物を捕ってきたから、主褒めて~としっぽを振っている光景を思い出す。
「リン、これから尋問を行うんだがクロにやらせるか?確かボスが捕ってきた獲物は、部下のクロが飽きてから他の群れに渡すのは問題ないんだろ?クロを上手く誘導して、ある程度の情報を聞き出すようにしてくれれば、こちらの手間も少ないんだが」
「いいよ~。クロ、この人たちから色々情報を聞き出したいから話せる状態にしておいてくれれば、一緒に遊んだりして良いよ‼」
タイパンさんが盗賊達の前に立ち、説明を始める。
「状況は分かっていると思うが、お前たちは腕の立つ盗賊のようだ。色々と分かっている情報を冒険者ギルドに伝えた方がいいぞ。今はリンのが掛かっているがこれから解除する。解除した後は、情報を伝えたくなるまでアブソーブの遊び相手を務めてもらう。正しい情報を言いたくなったら、すぐにそう言った方がいいぞ…本当に」
「それじゃ、行くよ。解除!」
解除された捕虜たちの前に、目をキラキラさせた黒猫がスタッと立った。
あ、ソレノドンさんは即退避している。私たちも、クロの遊びを邪魔しないように、この部屋が見える別室へ移動する。
捕虜たちは、なんで黒猫1匹が目の前にいるんだと疑問の表情をしていたが、すぐにその表情は大型化したクロを前に凍り付いた。
読んでいただき、ありがとうございました。




