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ギルド職員は忙しい  作者: 猫の子子猫
第1章 冒険者ギルド編

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23 自分なりの調査

「で、ギルド長から仕事ぶりを監視されているリリーさん、そろそろ終業の時間だよ。下のバルでご飯を食べたら、帰宅してね。ソレノドンさんもバルに行って。調査クエストが空振りに終わったと報告したが、再調査を命じられたっていうことでバルで愚痴っておいてね」

『ジョン』さんにそう言われたからには、私もソレノドンさんも不自然にならないような行動をしないと。


バルに行って本日の夕食セットのチェックをする。今日は揚げパン、ポトフ、リンゴだった。今日は色々とあったから、これに白ワインを追加で頼むことにして、お気に入りの席に行く。ソレノドンさんも少し時間をあけてからバルにやってきて、おつまみセットとエールを頼んでから他の冒険者たちが多くいるテーブルに行った。


「ソレノドン、しけた面しているなぁ。その様子じゃぁ、クエスト達成が出来なかったのか?」

「手がかり無しも立派な調査結果だと思うんだがなぁ、再調査を命じられたよ。村のあたりをこれ以上探っても手がかりは見つからんと思うから、次をどうするか考えているところさ」

「そりゃご苦労なこって。高ランクの魔獣に喰われたっていうことは無いのか?」

「だったら足跡くらいは見つけられるさ。人がいきなり消えるなんてことは無いんだから」

「そりゃそうだ。っていうことは人が絡んでいる可能性が高い・・・のか。あんたに言う必要は無いかもしれないが、引き際を誤るなよ。命あっての物種だからよ」

「あぁ、肝に命じるよ」


顔なじみの冒険者とのやり取りを聞いていると、普段のソレノドンさんだ。演技上手いなぁとしみじみと思う。私は私なりのやり方で情報収集をしていみたいと思うが、冒険者としてではなく、ギルド職員としてやれることはあるかなぁ。


ふと見ると、『アンボイナ』とよく話していた受付担当のジャンヌが赤ワインを飲んでいるのが見えた。彼女は確か『アンボイナ』のメンバーの1人を狙っているという噂があったはず。もしかしたら、何か知っているかもしれない。


ジャンヌさんは確か昨年採用されていて、受付業務には慣れている。恋人をゲットするために仕事を新人に押し付けて、男性冒険者へ媚びを売るため同僚からの評判はあまり良くない。よく見ると、ワインを飲むスピードが速いのでやけ酒だろうか。


手早く自分の食事を済ませて、白ワインの入ったグラスを片手にジャンヌさんへ近づく。普段は挨拶をかわす程度だから警戒されないか心配だったが、今夜のジャンヌさんは落ち込んでいる様子で私が話しかけても違和感を感じなかったようだ。


普段と様子が違うから気になって話しかけたと言うと、ジャンヌさんの顔が半泣きになってしまった。落ち着いて話したほうが良さそうだと思い、私の自宅でゆっくり話を聞こうかと伝えると、即座に頷いたのでよっぽど辛いらしい。


ジャンヌさんも夕食は済ませていると言うので、カウンターでお酒とつまみをテイクアウトしてから2人でギルドを後にした。


私の自宅は、3部屋とキッチン・トイレ・風呂場がある。3部屋は寝室、冒険者道具置き場、リビングとして使っている。家賃はまぁまぁかかるが、ギルド、自宅、時々ダンジョンという生活で流行りの服などを買わないせいか、特に不都合は無い。まぁ洒落者ではないとも言うが、そこは気にしてはいけないだろう。収入については安定した給料があるが、冒険者をやっていると装備品を新調したり、整備するのにお金が掛かるのだ。高額クエストは私の腕前では受けられないから、どこかの出費を削らないといけないのも事実だし。

読んでいただき、ありがとうございました。

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