表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギルド職員は忙しい  作者: 猫の子子猫
第1章 冒険者ギルド編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/148

18 不穏な会話

「ちょっとぉ、なぁに言っているの!私の自宅にも用意するんだから4か所の間違いよぉ?」

あ、カッパーさんが帰ってくるなり怒り気味です・・・。両手に猫ブラシを持ちつつ、仁王立ちしている姿は・・・うん、怖くない。

「カッパーさん、早かったですね!」

「あぁ、まずはギルドにある各種ブラシを試してもらって、お好みの硬さを教えてもらおうと思ったのよぉ。戻ってきて良かったわぁ~。」


ギルドにあった各種ブラシを試した結果、フェリスはスライムを主材料として作られた軟らかめブラシで、ソヌスは魔猪の毛で作られたハードタイプブラシが好みと分かった。

「では、馬車の中での会話を録音してありますので、お聞きください」

そう言うと、ソヌスが香箱座りになった。


「尾行などはついていないな?」

「あぁ、大丈夫だ。」

「では、分かっている限りの報告を」

「粉薬については、着々とデルフィナス国に密輸入させている。粉薬のことを嗅ぎつけてきた奴らや怪しい奴は、とっ捕まえて隷属状態にしてから、いつも通り奴隷商に売る。今は男6人に子供2人だ」

「職業、年齢、容姿、特徴などについては?」

「男で言うと1人目は行商人、年齢38歳、体格良し、健康、読み書き計算が当然できる。2人目~4人目は1人目の行商人の護衛をしていた冒険者グループ『サソリ』、年齢は全員が20歳、容姿は普通、文字は読めるが字を書くことは苦手らしい。戦闘奴隷向きだな。5人目も冒険者だ。年齢は33歳、容姿は普通。これも戦闘奴隷向きだ。最後の1人は子供2人の父親で、職業は猟師、年齢は36歳、容姿は平民にしては良い方で、体格も冒険者に引けを取らないな」


「子供はどうだ?」

「姉妹で、姉が9歳、妹が7歳だそうだ。どちらも可愛らしい容姿だな」

「ふむ、奴隷商も高く買い取りそうだ。粉薬は最初に幅広く普及させておけば、後は勝手に患者となった中毒者が仕入れてくれるさ。そろそろ潮時にしないと、私達が動いていることを気取られかねない。奴隷商人に捕らえている者たちを売ったら、撤退だ」

「承知した」


ソヌスの口から男たちの会話が流れると、部屋の中の気温が一気に下がった気がした。タイパンさんから殺気が漏れている・・・。


「カッパーさん、スミスさんを呼んできてくれ。耳元で『国際金融の極秘情報あり』と言えば伝わる。リリーさん、極秘クエスト発動の準備を進めていくことになる。王城への連絡先を教えるので、王城に連絡を入れてくれ。あと、極秘クエストを受諾できそうなAランク以上の冒険者で信頼できる者やグループの選定を進めてくれ。盗み聞きを警戒しているのか、犯行グループの具体的な情報を言わなかったな。情報を集めなくては、助けられん」


ドンドンドン!突然ギルド長室のドアが強く叩かれた。こんなに強くドアを叩くのは誰だろうと思いながらドアを開けた。そこにいたのは、行方不明になった行商人と『サソリ』を探しに行ったソレノドンさんだった。冒険者装備で汗まみれの恰好で、肩で息をしている様子から急いで帰ってきたようだ。



読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ