159 悪役令嬢?様
公爵家のご令嬢とは事前にマナーの確認も兼ねて顔合わせを行った。
ご令嬢のお名前はアリエノール・ピカール様。アリエノール様の祖父が先々代の王弟だそうだ。御年16歳で褐色色の肌に黒い髪のオリエンタル美人だ。
リンちゃんと2人でお目通りしたのだが、とても気立てのいい方だった。
リンちゃんなんて「ほえぇ…目の保養だねぇ…」と本人を前に呟き、私も口を開けて見とれてしまっていたから、侍女の方にツンツンされてしまい、その様子を見てアリエノール様は苦笑していた。
適性検査は高位貴族から行われるそうなので、アリエノール様の適性から決定される寮を確認後、リンちゃんを同じ寮に入れるように手配するとのことだった。
そして、来る入学の日。
「さて、ついに検査か…どうなるんだろ…リアル、ハ〇ー〇ッターになりませんように…」
きっと帽子は被らないと思うけれどね。
「この水晶に手をかざすのか…」
私は事務員として新入生の適性を記録しているので、アリエノール様の結果をこっそりとリンちゃんに念話で送る。
『リンちゃん、アリエノール様の寮はマジック寮だった!よろしく‼』
『りょーかい』
「さってと、どんな色になるのか…なるのか…なる…混沌色?」
『リンちゃん、が出来ていない‼直して~』
『とはいってもさぁ…水晶を見てよ…』
水晶は色んな色がグルグルと渦を巻き、時々雷のような閃光も走っている。嵐か?そして、判定をする校長先生は目も口も大きく開けてしまって固まっている。
カオスな水晶玉…




