152 帰りたい…(☆ソレノドン視点)
「リン、教会の部屋はどうなっている?」
「いつも通り、幻影魔法で寝ているように見せているよ。ママの帰りが遅いって泣いている子供をパパが寝かしつけたっていう感じに見せた。特に変な動きはないね」
「リリーさんが狙われた理由っていうのが、王族関連だと厄介だな…」
「だね。アンボイナ絡みかもしれないけど。これから、お土産達がどう話してくれるのかな」
リンの顔が怖い…。リンがウキウキしながら、ジョンの所に行ってくると言って部屋から出て行った。俺の子育て、どこか間違ったんだろうか?
暫くして、ジョンとリンが戻ってきた。
「微妙な話になりそうなんだ。悪いけれど、クエストメンバーの中でも事情を話せる奴が限られそうなんだ。ラーノさんとアゲートさんは正直知らない方が良いと思う」
そうジョンが切り出すと、2人は喜んでリンに自宅まで転移してもらっていた。
「俺も…」
「ダメ。却下」
酷くね?あっさりリンに却下された、なんで?
「オーラ国とデルフィナス国の一部王族と結託している大貴族を潰す!」
いや、だから…理由を端折るな!説明しろって‼極秘クエストメンバーでやれば、クーデターでも起こせそうなんだから、やれるだろうけれどさ…。大罪人になるのは御免だ。
「あ、勿論、クエストメンバーだってバレない方法でやるから安心してよ」
ジョンが腹黒い笑みを浮かべて言っているし。
「なぜか突然、標的近くにダンジョンが湧いて、ネームドモンスターがちょーっと外に出てきちゃうだけ。で、ちょっと悪戯したらダンジョンに戻っていっちゃうの。いつの間にかダンジョンも消滅して、周囲には影響な~し」
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