150 ネバネバ(☆ソレノドン視点)
『リリーさんの反応を確認!降下‼』
「そぉっと降りるでありんすよ!衝撃で周囲が壊滅したら、リリーさんも無事ではないでありんす!」
『Yes, Ma‘am!』
変な返事が聞こえたが、了承したという意味だろう…な?
リンが師匠に反抗的な態度を取るとも思えないしな、信じているぞ、リン‼
『そぉっと、そぉっと、シュワ~、フワ~、トロ~、すろぉ~、ねば~』
リンが軟着陸しようと頑張っているらしい。呪文のような魔力制御の言葉を聞いていると、緊迫する場面なのに幼子が一生懸命努力している様子にしかならず、自然と微笑んでしまう。
『で、出来た‼我、頑張った‼』
カメラから流れてくる映像を見ても、周囲の被害は確認できない。
「でかした!『P』‼」
『リリーさん、見つけてくる。あと捕縛もついでにやってくる』
「頼むぞ!」
シュン!
ん?今、行ってくるって言ったばっかりなのに、もう目の前にリンがいるんだが?
ちゃんとリリーさんをお姫様抱っこしているし、もう保護してきたってことか?
「リリーさんは、大丈夫そうか?」
「意識なし、呼吸、脈拍ともに正常。睡眠薬か何かで眠らされているだけだと思う」
「リンちゃん、あとはこちらでリリーさんを診るわ」
アゲートさんがリリーさんを引き取っていった。
「で、こっちがお土産」
ネバネバの膜に包まれて意識の無い武装した男達が、5,6人ずつ1包となって転移させられてきた。
「なんか、着陸するときに、『ねば~』ってイメージしたら、こうなった」
どうしてそうなる‼
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