148 ☆コードネーム「P」(ソレノドン視点)
「……多分だけど、平らな場所があるんだと思う。最近、魔力反応があった場所があるんだけど、もしかしたら、魔法で作ったのかもね」
「お待たせぇ!リンちゃんは、今から『P』というコードネームで、燃料兼操縦士兼突撃切込み隊員として砲弾になってもらうわねぇ‼」
「ついでに、医薬品搬送人も兼務してくださいね」
訳が分からん会話とともにカッパーさんとアゲートさんが帰ってきた。流石のリンも顔が『?』となっている。
「分かんないんだけど?」
そう言っているリンに、ミエリンさんがリンが普段着ないような白い上着に赤く太いズボンを履かせている。更に狐のお面を付けさせている。リンに嫌と言わせない辺りが流石だ。
「これは神狐の恰好でありんす。リンは曲がりなりにもS級冒険者でありんすからね、何処で顔を見られているか分からないでありんす。用心に越したことはないでありんす」
リンが準備中の間に、男性陣もカッパーさんが持ってきた大砲?操縦席が筒の先に剝きだしでついているロケット?にアゲートさんが持ってきた物資を詰め込んでいく。
「リン、万歳しろ」
タイパンの命令に、訳が分からないまま大人しく万歳するリン。
ひょい
大砲の砲身先端に当たるところにタイパンがリンを装填…装着…乗せた。
「私、砲弾?」
「砲弾、燃料、制御装置、操縦士、救出人、捕縛人、搬送人、地形復元人…全部丸っと込々だ。一般人に迷惑かけるな、死者は出すな、地形を壊すな、国を壊すな、世界を滅ぼすな。命令だ‼」
「なんか、酷くない?」
いやいや、俺からすれば足りないくらいだと思うがな。
「まぁ、いっか!さて、ゴーグル付けてっと。発射は頼んだ!」
「よく聞くのよぉ。発射はするけれど、最高到達点に達した後は飛行状態維持するためのエネルギーは全て『P』が供給を行うことになるの。最高到達点に達した段階で、半分が切り離されて落下中に燃え尽きるように設計したわぁ。『P』は着陸地点を決定後、速度をコントロールして着陸した後は秘密保持のために機体を消滅させること。帰還する際は、転移魔法でよろしくね。で、これは記録用の音声付きカメラね。首輪…チョーカーとして付けておくわねぇ」
カッパーさんの恐ろしい説明が終わった…。『P』頑張れ、帰還したら思いっきり頬ずりしてやるからな!
親バカソレノドンは健在です。
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