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ギルド職員は忙しい  作者: 猫の子子猫
第1章 冒険者ギルド編

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14 スミスさん

読んでいただき、ありがとうございます。初投稿、ゆるゆる設定、ご都合主義ですので、至らぬ点が多数あると思いますが、広いお心でご覧いただければ幸いです。

「リリーさん、給与計算は合っていた。銀行グループへ伝票を作成して回しておいてくれ」

「ギルド長、確認していただいて、ありがとうございます。間違いがなくて良かったです。すぐに伝票を作成して銀行グループへ回します」


伝票もフォーマットさえ作れば、あとは数字を変えるだけで毎月できちゃうかな?いつも手書きで各個人ごとの伝票を作っていたけれど…、絶対に表計算ソフトの出番だよね!

「フェリス~♪銀行グループに出すための伝票を作りたいの!今まで入力した個人の計算欄の金額をワープロソフトで作成したフォーマットに反映させるわよ!」

「分かったにゃん。フォーマットはちゃんと考えたかにゃ?きちんと最初に作らないと、逆に面倒くさくなるニャンよ~」


銀行グループへ提出する伝票はきちんとしたフォーマットは無いものの、大体書くことは決まっているから、ワープロソフトを使って欄を作っていく。そこに、差し込み印刷機能を利用して、表計算ソフトで作ったデータを反映させてっと。よし、印刷開始~。大量の紙束を抱えてお腹の前に持っていく。ピカピカ~、あっという間に伝票の出来上がり。手書きの時に比べると、はるかに楽だし早い!フェリス~ありがとう!


伝票を抱えて2階の銀行グループカウンターへ向かう。カウンターには、活動拠点を移す冒険者パーティーが拠点先となる町にあるギルド出張所へ送金手続きを行っていた。確かパーティ名は『アンボイナ』だったかな。聞きなれない名前だと思ったら、彼らの出身地はこの国ではなく、海が近い町の出身で、土地の人々が恐れる猛毒の貝から名前をもらったって言っていたっけ。


「スミスさん、今月の給与伝票を持ってきました。よろしくお願いします」

「早いですね!いつもよりも3日は早いんじゃないですか?無理していませんよね?」

「ギルド長、副ギルド長のお2人に見られているので、無理させてもらえませんよ。今月はやり方を見直して効率的にできたと思います」

「そうなんですね。あ、リリーさんにちょっと伺いたいことがあるので、この後時間を30分ほどいただけそうなら、打合せコーナーでお茶でもいかがですか?」

「時間は大丈夫です。ギルド長室に伝言鳩を飛ばしますね」


なんだろう?スミスさん関係だと、伝票がらみになるのかしら?

銀行業務グループのカウンター横には、込み入った相談をするための簡単な打合せコーナーがある。小ぶりな机を挟んで椅子が4脚置いてあり、高いパーテーションで区切られている。ちょっとした個室のようになっていて、少人数の打合せや相談事に向いている。しかも、防音結界の魔道具があるため室内の話し声なども外部へ一切聞こえないようになっているため安心だ。


「バルからケーキセットを取り寄せました。本日はチョコレートカップケーキと紅茶だそうです」

「あ、ありがとうございます。先日はご心配をおかけしてしまいました」

「その後、体調などはいかがですか?固有スキルの発現はありましたか?」


あぁ・・・そう言えばスミスさんがお見舞いに来てくれた時に、そんな話をしていたっけ。スミスさんなら口も堅いし、話しても大丈夫かな。


「ここだけの話にしてほしいのですが、実はあの後、固有スキルだと思う能力が使えるようになりました。他の人には見えない『パソコン』という黒い箱のような物が使えるようになりました。『パソコン』では計算や文章を早く作成することができます。今回の給与計算伝票も、固有スキルのおかげで早く作成することができたんです。ただ、私が『パソコン』を使っているときは、他の人は猫をモフったり撫でたりしているように見えるようです。ギルド長にも報告済みです」


「猫をモフっているように見える・・・けれども事務方にはとてもありがたいスキルですね。王城の文官にもなれますよ!」

「いやいや・・・ギルド長にも伝えましたけれど、王城はお貴族様がたくさんいらっしゃるので、人間関係が難しそうです。だから、このままギルド職員でいたいなぁと思っています」

「そうですか・・・残念です。いつでも王城では貴女を歓迎すると思うので、ギルドで物足りなくなったら王城に転職するのも選択肢の1つとして覚えておいてくださいね」


あれ?なんでスミスさんは王城の人のような発言をしているんだろう?お見舞いに来てくれた時、スミスさんはなんて言っていた?固有スキルを隠し持っている人を探し出す隠密部隊があるっていう都市伝説の話・・・もしかして実話?思いっきり表情を固めて、微笑みを浮かべながら相槌を打つのが精一杯だった。


読んでいただき、ありがとうございました。

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