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ギルド職員は忙しい  作者: 猫の子子猫
第1章 冒険者ギルド編

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137 囲い込まれそう?

「あ、あの…私達は冒険者でして。そんな高貴な方達のお目に留まるような所には出られません…。不敬罪とか、無礼打ちとか…怖いですし」

「大丈夫ですよ。貧民街に暮らしていた方も儀式を受けた事がありますよ。そのような方でも儀式の結果、聖人として認められております。また、最低限の立ち居振る舞いについては、私達がお教えします。仮に儀式の結果で聖人や聖女と認められなくても、冒険に出られなかった期間の収入分については、教会が責任持って負担させていただきます。女神教の信者であれば、どれほど儀式を受けることが重要なのか、勿論、ご存じですよね?」


「勿論、判定の儀式がとても重要なものであるかは承知しています…」

ソレノドンさんが冷や汗を垂らしながら、小さい声で答えている。

「では、何もご心配なさらずに。客間にご案内しましょう。男性と女性で分かれますが、よろしいでしょうか?」

「だ!だ!だだだ!(親ばかソルの精神が不安定になる!)」


「ごめんなさい。この子(の父親)は家族(娘)と離れると、(ヤバいほど)情緒不安定になってしまうので…できれば家族一部屋でお願いできますか」

「そうですか、まだ幼いお子さんですからね。では、客間よりも質素な部屋となりますが、家族で宿泊できる部屋にご案内しましょう」

「だ、だだだ…(よ、良かった…)」


案内してもらった部屋は、私達が泊っている宿の部屋よりも遥かに立派だった。確かに装飾品などは無いけれども、カーテンも厚地だし、椅子にはクッションも付いているし、ベッドはふわふわだし、すごく居心地が良い部屋。


「すっごく素敵な部屋…」

「だ!(うん!)」

「あぁ…はぁ。リンと一緒の部屋で良かった…」

冒険者のお約束、お部屋チェック。これ大事。今回はどうやら滞在者には分からないように細工されてはいるが、隠し部屋があるようだ。


『隠し部屋だな。滞在者の監視とか諸々に使えそうだな』

『下手に結界とか常時張らない方が良さそうね』

『OK!ちょこっとだけ、ピンポイント、フワー、しゅわ~』


「会話が雑談に聞こえる認識阻害と盗聴防止掛けた」

「今は監視人はいなそうだが…油断はできないな」

「だね。ソルは探索クエストを完了させた冒険者だから、下手なことはしないと思うけど」


「まずはお茶でも淹れようか。茶葉と茶器があるし、お湯は貰えると思うから」

「この茶葉、私の研究対象の一つだけど良いの?」

「ん?どれどれ…。おい、こりゃ、オピが混ざっているぞ」

オピって?


「オピっていう植物。花がとっても綺麗だよ。麻薬も取れるけれど、食用、薬用にもなる。少量だったら、無問題」

正直、微妙なラインだなぁ。確かに大人がお茶に混ぜて少量飲む分には、リラックス効果もあり疲れが取れる。でも、3歳児がいる家族だよ?


「ねぇ、一般的な3歳児がこの量のオピが入っているお茶を飲んだら、どうなると思う?」

「そりゃ成分に対して体重少ないからね。すぐに寝ちゃうかな。1週間もしたら、薬物中毒になってもおかしくないよ」

「故意か偶然か…。この茶葉は交換してもらう。ついでに探れたら探ってくらぁ」

読んでいただき、ありがとうございます。

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