136 バ・バレタ!?
「はぅ!俺たち祈りの間にいる事になっているんだよな!早く帰らないと!」
「「あっ‼」」
慌てて転移して、祈りの間から出ると、すっかりと暗くなっていた。
「随分と長く祈られていたんですね。何かありましたか?」
出迎えてくれた司祭様が心配してくれた。どうやって誤魔化そうかしら。
「えぇっと…」
「おや?皆さんから女神様の気配が感じられますね。女神様からご神託などあったのでしょうか?」
ひえぇ…この司祭様鋭い‼
『やばい、この司祭様鑑定魔法が中級まで使える‼』
リンちゃんからの念話が飛び込んできた。
『あわわわ…隠蔽マックスで掛けてるけど、バレる自信しかない…』
「実は…長くお祈りを捧げていたら、女神様か分からないのですが女性の声で『無事に帰ってこられて良かったわね』と何処からともなく声が聞こえてきたんです」
とっさに全てを隠すのは無理と判断して、少~しだけ真実を話す事にした。
「それは…‼実は私は中級の鑑定魔法が使えます。ご家族の皆様の中に女神様から加護を頂いた方がいるかも知れません。教会へ滞在してください。是非、判定の儀式を受けてください‼」
判定の儀式って何だろう?と思って、隣のソレノドンさんを見る。
「は・判定の儀式⁉いやいや…そんな大それた…儀式を…受ける…なんて」
珍しくソレノドンさんが狼狽えて、しどろもどろになっている。
「だ~?(何?それ?)」
「お嬢さん、判定の儀式というのは聖人や聖女候補者が受ける儀式になります。儀式は大司祭様が執り行います。そして、王族や高位貴族も立ち会う儀式となります」
『ピエッ‼リリーさん何とか断って‼』
そ、そう言われましても…。
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