133 女神様
「だだ…(ただいま…)」
「お帰りなさい、何だか疲れているみたいだけれど。この後、家族全員でまた祈りの間に行くわよ」
「だだだ…だだ(ねぇ、女神さまってさ…ノリ軽いっけ?私の家で宴会するっけ?)」
「リンちゃん…⁈家族一緒に祈りの間に行きますよ…」
「そうだな…初めての祈りの間だから緊張した(ことにしよう)んだろうな…」
司祭様に案内されて、祈りの間に入る。
『お祈りの内容とか垂れ流しとくよ』
祈りの間は、暗い褐色のチーク材が使われていて、広さは大体15㎡位の部屋だった。奥に祭壇があり、大理石で作られた女神様の彫刻が祀られている。彫刻の前には、同じくチーク材で作られている椅子と細長い机が配置されている。
お金を持っている高貴で年齢を重ねた方々に優しくなっているんだなぁ、と思わず考えてしまった。
「では、私は先程の礼拝堂にいますので、お祈りが終わりましたらお戻りください」
「承知した」
祈りの間のドアが閉まった途端に、リンちゃんの防音結界発動‼
「で、何したらさっきの感想が出たんだ?」
「ならお祈りするから、その内容と返事聞けば分かるよ…」
リンちゃんが手を組んでお祈りポーズをすると、私達はまぶしい光に包まれた。
『クーちゃんへ。宴会どうですか?お酒は足りそうですか?あ、足りる?良かった…。また今度作るか!あ、こっそり飲もうとしないで!時間かかるから!スライムちゃんたちどう?お、元気そう?良かった…みんな大歓迎してるの?良かったじゃない!私の家にすぐに行ける特殊パス発行しとくね~。そうそう、最近さ~。私の家に不法侵入者がやってくるんだよね。捕まえてるけどさ。え、隠蔽魔法強化?ちょ、流石にプロジェクトメンバーは入れるくらいにしといてあげて…』
「「は?クーちゃん⁉なんでタメ口⁈」」
『けどけど!リンちゃんのお家楽しいもん!せっかくの憩いの場なのだから、守るのは当然でしょう⁉』
『とはいってもね、規模が!バカでかくなる!って、神託やっちゃったの⁉ありがとう…けど、やるときはもっと早く言ってね』
「「リンが振り回されている…‼いつも周囲を振り回しているリンが…‼」」
『あら?お仲間もいるのね?じゃあ、お近づきの印のナデナデ‼』
『女神クレア様にご挨拶します』
『そんな堅苦しい言い方やめて!私もリンちゃんハウスに来る極秘クエストメンバーってことにするわ!』




