131 宗派によって
「はーい。さて、女神教の教会はどんな施設なのやら」
「そうだな…共通しているのは、女神教の布教活動と慈善活動を行っているな。慈善活動の範囲や規模なんかは宗派によって違うはずだ。アベントゥーラの教会は、金さえ払えば慈善活動の一環として、解呪や治療なんかも身分を問わず行っている」
「お金ばっかりね、平民とかからは反発されそう」
「平民の反発を押さえるために、王家をはじめ貴族や金持ちの平民は、金が払えない平民のために使ってくれと用途を限定して寄付をしている。寄付を行った事は教会前の告知板に貼り出され、寄付に基づいて行われる教会の慈善活動日が知らされる。貧乏人は、慈善活動日に教会へ行くんだ」
なるほど、上手い仕組みだ。平民は寄付者に感謝するし、教会も慈善活動を行うことで普段は教会に来ない人も来させることができる。ついでに布教活動も行えば、信者が増えるかもしれない。
「そうそう、貧乏人なんかは社会奉仕活動を行うことで、治療を受けられたりもするんだ」
「社会奉仕活動ってどんな事をするの?」
「子供だと教会や周辺の清掃だな。大人は様々だが…例えば大工仕事が出来る奴なんかだと、教会の修繕。腕が良いと認められれば他の信者に紹介してくれるから、仕事にありつけて貧乏から脱けだせる場合もある」
町のお医者さん兼ハローワーク的な事も行っているっていう事か。慈善活動の内容次第では炊き出しとかもするんだろうし、社会的なセーフティネットも担っているという事らしい。それなら女神教信者が増えていくのも納得だわ。




