125 レジャープール?
大浴場は円形プールと化していた。3コースに分けられていて、同心円の中心にマンドラゴラーズがのんびりと入浴中。次のコースは子供達、一般人、私、アゲートさん、カッパーさんだ。一番外側は高い級の冒険者一同で、水中ウォーキングをしている。高い級持ちの冒険者が泳ぐと渦潮が発生しちゃうからね。ちなみに、一番外側にはリンちゃんハウスの住人達もいる。
「ねぇ、リンちゃんはどうして頭にマンドラゴラを乗せているの?」
「どうしてシュガーちゃんを背負っているの?」
「どうしてリンちゃん、プルプルしているの?」
コルンブ・カストル・ポルックスからの質問は、直球だった。
「しらないよぉ…うきわしょーかんしたい…」
クリクリクリ…
「くすぐったいよぉ・・・」
テシテシテシテシ
「なんで頭の上で歩くんだよぉ…」
「うきわ…あった…」
浮き輪に入って、リンは漂流することにしたらしい。
「娘よ~!早くカムバックできるように、パパが応援しよう!」
「よし、トレーニングを兼ねて流れに逆らおう!」
相変わらず塩対応の娘だ。ビーバー獣人であるカストル・ポルックス兄弟は泳ぎがとても上手でスイスイと泳ぐことができ、一番外側の冒険者用レーンに入っていった。
「うわぁ!すっごい長い魔物が泳いでいる‼」
「リンに巻き付いているよ‼大丈夫なの⁈」
「大丈夫だよ。リヴァイアサンの親子で、これでも縮小バージョンだよ。名前は『セイガイハ』と『オキナミ』。セイガイハが父親ね。最初は『ワカメ』って名前だったんだけれど、セイガイハが引っ越してきたから、改名した」
セイガイハとオキナミは、ちゃんとリンちゃんの背中にいるシュガーちゃんが苦しくならないように巻き付いているが、シュガーちゃんは怖いのかクリクリのスピードが半端ない。リンちゃんのプルプル度合が増してきている。
「と、とにかく!もうちょっとで魔法が使えるようになると思う。いつも通りとはいかないけどね。基本的な魔法なら使えると思う」
「無理は禁止ですよ‼」
即座にアゲートさんからストップがかかった。
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