123 垢水溶液…
「ねぇねぇ、そこのマンドラゴラさん。どこに行こうとしているの?」
ワサワサ…ピ
葉っぱを一方向に向けてくれた。どうやら、意思疎通が出来るらしい。
「一緒に言ってみても良い?」
ワッサワッサ
OKらしい。マンドラゴラの後ろを歩いて行くと、大き目の鹿威しと蹲があった。
ぽっちゃん!
気持ちよさそうに、葉っぱが揺れている。そうっと水に手を入れてみると、ぬるま湯だ。
どうやら、マンドラゴラ専用のお風呂か温泉のようだ。鹿威しで、適宜湯量が足されているので、源泉かけ流し状態である。
シャカシャカと葉っぱを器用に使って、胴体?を洗っている。さっぱりとしたのか、お風呂から出ようとしている。
「マンドラゴラさん、このお湯って私も使っていい?」
ワッサワッサ
よし、OK。マンドラゴラさんの残り湯を瓶に詰めて、リンちゃんかアゲートさんに解析してもらおう。ご利益か薬効があるといいなぁ。
「アゲートさん…は勉強中だから、リンちゃん。このぬるま湯に何か薬効とかありがたい効果があるか調査したいんだけれど、頼めるかな?」
「私~?意外だな…。ま、いいけどさ。確かあのあたりに…」
そう言って、書斎の本棚に歩いて行くリンちゃん。いや、このぬるま湯を調べてほしいのに。
「この資料見れば分かるよ」
何故に?っていうか、このぬるま湯が何かも知らないでしょ?
「だって、もう調べた事あるもん。というか、正確に言うと、あれはマンドラゴラ達の垢の水溶液だよ?」
「言い方!なんだか、きちゃない・・・」
「そっちも言い方!肩こり改善、リウマチ改善、むくみ改善、美肌効果、血流促進、できもの除去なんかが効能ね」
「よし、マンドラゴラさんたちを全員集合させて、女性陣は一緒にお風呂に入ろう‼」
「え?もう入ってるでしょ?」
「入っていないでありんすよ~。リン…もちろん、お風呂入るでありんすよね?」
ゴゴゴゴゴゴゴと音がしそうな程の圧力が発生している。
マンドラゴラが生み出した美容液=垢水溶液
言い方ひとつで、全然印象が違います!




