119 磁石スキルかな
リンが幼児化したことにより親馬鹿ソルが復活し、リンとシュガーちゃんを抱っこしてご満悦である。シュガーちゃんは、だんだんと眠くなってきた様子だったので、ソルがリンとシュガーを医務室のベッドに置いてきてくれた。シュガーちゃんはリンを離さないまま眠ったらしい。
リンが戻ってこない所を見ると、抱きつかれたままでリンも眠ってしまったのだろう。おそらくシュガーちゃんは固有スキル所持者だと思われるので、どのようなスキルか確認する必要がある。リンに会った事で、スキルが発動したとも考えられる。軽く今後の打ち合わせを行って、今夜は解散となった。
『おはよ…そっち行けないから念話でいい?固有スキルなんだけど、仮説できた』
リン、なんだか疲れているみたいだ。
『もしかしたら、磁石の性質?みたいなのを自分の魔力に付与できるんじゃないかなぁ』
『磁石…、そう思う根拠はありんすか?』
『まず、転移したのにくっついてきたこと。たまーに、判定の誤作動とかがあるから、それに関しては誤作動かな~って思ったんだけどね。次に、私が魔法を発動できなかったこと。
リリーさんなら分かるかもだけど、MRIによる電化製品の誤作動?みたいなのが魔法でも起きたんじゃないかなって』
『つまり、相手の魔法発動を阻害するような磁力っぽい魔力が働いたんじゃないかという仮説?』
『そう。で、ただいまその魔力を解析して、ゆっくり離れようとしてるとこ』
『無理しないで、シュガーちゃんに頼んでみれば?』
『あの様子だと、多分制御ができてない。切り替えも難しいと思う。だから、とりあえず私がやることにしたんだ』
まぁ、リンちゃんなら、出来そうだなぁ。固有スキルって滅多に同じスキルを持っている人がいないから、そう呼ばれている。生まれたときから、固有スキルの才能は各人にあるらしいけれど、発動できるか否かはその人次第。ある時突然できるようになる人もいれば、息をするように使える人、一生涯使えないまま終わる人と様々である。
『で、結論!シュガーちゃんの固有スキルは”磁石と似たような性質の魔力を発生させる”だと思う!』
『勝手に反転させたら、シュガーちゃんが吹っ飛んじゃうから!ダメ、絶対‼』
『反転じゃなくて、磁石を電磁石にするの!そうすれば、制御もできるでしょ!』
ふむふむ・・・魔力を電力の代わりとして働かせて、魔力磁石のようにするイメージかな。
『お、できた。じゃ、そっちの方に向かうね。薬物の解析結果が出来たころだろうし』
『じゃぁ、極秘クエストのメンバー全員をリンちゃんハウスに連れてって!』
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