117 猫に木天蓼、シュガーちゃんにリン
今回は攫われた自分の子を冒険者夫婦が発見し、他にも攫われた子がいたから誘拐犯達の拠点を潰して保護したと、派手にオーラ国の冒険者ギルドに凱旋することになった。
リンの両手が何かを動かすように動いている…。何を操縦する気なのかな?
「子供たちの帰還などについては、デルフィナス国ギルド長として正式にオーラ国冒険者ギルド長に連絡を入れる。捕まえた奴らは、こちらで尋問して背後関係を洗う。処罰については犯罪規模などを勘案する必要もあるが、相手の身分によって、どこが行うか変わることになるな」
タイパンさんがそう締めくくると、子供達とアゲートさんは医務室に戻っていった。
「ねぇねぇ、…これ何?」
ん?リンが戸惑った表情を浮かべている。リンの背中を見ると、医務室へ戻ったはずのシュガーちゃんがいる。そして、頭をくりくりと背中に擦り付けている。
「いいにおい…」
シュガーちゃんが蕩けるような笑みを浮かべている。
「猫にマタタビ、シュガーにリン…」
ソレノドンさんが呟いている。
「とりあえず、医務室へ転移‼」
ひゅん!
「置いてきた‼」
クリクリクリ…
「いる‼何で⁉もう1回!」
ループするこの光景…。10回目あたりでリンが涙目になってきていた。
「うぅ…なんでぇ」
「これは…シュガーちゃんは何らかのスキル持ちと考えた方が良いでありんすねぇ」
「ししょう・・・どうしよう」
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