114 親心?
「君~、大丈夫?」
「喰われる…僕…生餌?」
「んなわけあるかい!あ、〇ほ…じゃなくて!ゴルちゃんたちのショー、見る?」
「ここ、どこ?施設じゃないよね?」
「ここは、デルフィナス国の冒険者ギルド!正確に言えば、そこの医務室」
会話が刺激になったのか、残りの男の子達も目が覚めたようだ。
「ポル!目が覚めたんだね。僕達、救出してもらえたみたいだよ‼」
「カル‼ここは何処?」
「はーい、ここはデルフィナス国の冒険者ギルドの医務室(2回目だけどね)。2人は…その様子を見るに、兄弟なの?」
「「双子だよ!」」
「流石双子…、息ピッタリ!」
「あの…、どうしてデルフィナス国に居るのでしょうか?少なくとも僕たちは、デルフィナス国では攫われていないのですが」
質問は、最後に目が覚めた人族と思われる男の子から。彼はなかなか理性的な話し方をする。賢そうな子だし、もしかすると貴族かもしれない。
「状況説明だね。えーっとね、まず、君たちは誘拐された後、魔の森に連れて行かれたんだよ。君たちが言うところの教育施設かな。その教育施設をぶっ壊し!救出したってわけ」
「私達を救出し保護してくださり、感謝申し上げます。申し遅れましたが、私はラピス国ラブラドライト公爵家の3男で、スフェン・ラブラドライトと申します。お見知りおき頂ければ幸いです」
凄い…リンよりもしっかりと話している。リン、確か16歳だったはず…。母親として、リンをしっかりと教育せねば‼
「ピエッ!?」
何か、変な音が聞こえたような気がするけれど、クロも警戒していないし大丈夫だろう。
「ご丁寧に、ありがとうございます。ラピス国のお貴族様であれば、ギルド長達幹部を呼んできます。その後で、改めて自己紹介等を再度お願いいたします」
慌てて口調を対大物貴族用に改める。
「同調」
あ、ズル‼まぁ、今だけは許そうかな。今だ・け・は‼大切なことなので2度言います。
心なしかリンの顔が引きつっている?かも知れないが、親心だからね。
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