平和の為の戦い
モリスと希望は、機検にあった機械兵運輸用航空機を使い移動を開始した。ガラバが操縦を務め、空へと舞い上がった。
--D-1〜D-25エリア--
このエリアにはRP軍の小型基地がある。そう、モリスはこの場所を目指している。彼女は両軍どちらも自軍の正義を貫いていて、そのぶつかり合いにより戦争が起きていると考え、どちらの軍も無くさなければいけない。そう思い手始めに最寄りの小型基地を潰すという考えに至った。ガラバはこの戦を危険視し、別の作戦を提案したが、彼女は"この手しかないの"と言いガラバは静かにその場所に向かった。
5時間後、小型基地上空に着いた。
小型基地なので警備はかなり薄く、高さ18mくらいの有刺鉄線で囲まれているだけであった。
輸送機のハッチが開く。異変に気づいた兵隊は機械兵に乗り込み武装を構えた。
ハッチが開ききる前に蒼の稲妻が落ちた。
尋常ではない衝撃に機械兵は体制を崩し地面に倒れ込んだ。希望は背部に納刀していたブレードを手に取り辺りを見回した。地震が起きたかのような地響きの後、ブレードの刀身が青く煌めく。
希望は動き出す。敵機械兵はライフルを撃った。が、放たれた弾丸は2つに別れ、希望にはかすりもしなかった。モリスは出力を解放し、距離を一気に詰め、青い刃は機械兵の頭を貫いた。
モリスは人殺しをしたい訳ではない。戦争の道具となってしまう機械兵を破壊したいのだ。
彼女は次々に機械兵を切り捨てた。その姿はまるで荒ぶる獣のようであった。
敵勢力の8割を削ったであろう時に一機の機械兵が現れた。その機体の名はバギディス、MPの上のグレードであるAMの機体だ。
希望は止まらずブレードを振りかざした。
バギディスは肩部に接続されているシールドを前方に構えその斬撃をパリィした。そのシールドはマイナスパルスシールドと呼ばれていて、相手の使用するパルス波を検知しそれとは逆のパルスを発生させることによって威力を相殺。シンプルな武器のダメージしか通らなくなるのである。モリスは驚いたがすぐはっとしてシールドを押し出すように蹴り、空中に上がった。
バギディスは脚部のミサイルポッドを展開しミサイルを射出した。希望はそれを空中で側転するような形で避け、ブレードを投げつけた。放たれたブレードは先程のシールド損傷部に直撃し、シールドは爆破した。激しい黒煙が立ち上る。すると突然!!
黒煙を裂いてビームのようなものが飛んできた。
バギディスが手に構えているライフルから放たれたものだった。通常ならば見たことの無い兵器に警戒し恐れるが、モリスは違かった。このような兵器があるとまた戦争は激化する。そう思い怒りが沸き上がる。
ビームを避けながら距離を詰める。ブレードを回収し素早くライフルを切断。爆風により怯んだバギディスの左腕を切断。バギディスはとっさにバックステップを踏み全身の武装をパージ。脚部に内蔵されていたパルスブレードを取り出し希望の左腕を切断する。少女は声をあげる。それに応えるかのように希望のブレードはバギディスの頭部を破壊していた。バギディスは爆発し、少女は気を失った。
目覚めるとそこは機検であった。どうやらガラバが回収してくれたらしい。ボロボロになった希望の隣にはバギディスが格納されていた。話を聞くと、あのビーム兵器のようなものを調べていたらしい。
アレは超電磁砲の応用で、電子凝縮砲というらしい。
この先このような兵器が世界中に拡散され、戦場に導入されていくのは時間の問題らしい。
ガラバはバギディスが使っていた電子凝縮砲の内部を移植し調整したものを希望に持たせてくれた。だが、さきの戦闘でブレードの出力に問題があり、改修しなければいけなくなった。
ガラバはその代わりとして対機械兵大型刀を装備させ、破損した左腕はひとまず機検に保管してあったナーバレスのものを取り付け、バスターブレードを使用するために各種に油圧式シリンダーを取り付けた強化外部装甲を装備、名を重希望と名付けデータベースに登録した。
少女は再び平和を求める旅にでる。