END EARTH
初投稿です。宜しくお願いいたします。
世は西暦2500年、かつて人々が住んでいた地球は度重なる戦争や紛争、それによる環境破壊により素肌を晒して外を歩くのが困難になるまでに廃れ火星移住を余儀なくされた。地球はエンドアースと呼ばれるようになり資源の採取、戦場等にしか活用されない荒廃惑星となった。そんなエンドアースに未だ居住している人間も少なくなかった…
エンドアースG-64エリア、かつて東京があった場所である。今では半壊状態のビル群のみとなり、緑が生い茂っている。湿ったコンクリートと液体燃料を釜で5時間煮詰めたような匂いが充満していた。
そこにある小さな集落に住んでいる1人の少女、名はアルケミラ・モリス。両親を生まれたばかりの頃に戦争に巻き込まれ亡くし、軍人に保護され集落の長に預けられた。名は少女の綺麗な髪色から、アルケミラモリスという花の名前から付けられた。彼女は、親の意向で軍の元で行われた、遺伝子組み換えによる胎児のエンドアースへの適応を目指した新型医療、エンドジェネシス(EG)を受け、生まれながらにして外を無装備で出歩く事が出来た。
だがしかし日々の戦争により彼女の心も廃れ始めていたのである。最近の戦争は主に機械兵を用いたものになっていた。機械兵を用いての戦争は当初、人的被害の拡大に繋がるとして国連に反対されていたが、留まることを知らず。右肩上がりに機械兵の生産数は増加していった。機械兵とは総称であり、機械兵にも様々な種類が存在し、
一番生産コストが低く量産されるような機械兵は
"Mass-produced(量産型)"【MP】
部隊のエースや中堅パイロットが搭乗するような機械兵を"Ace Machine(エース機)"【AM】
軍において最も重要な人物や大きな戦績を収めたパイロットが搭乗する機械兵を"Force Core"【FC】
上記のようにカテゴライズされており、基本的にはMPとAMのみでの戦争が主流である。
ある日モリスは度重なる戦争に怒りと憎しみを抱えて集落を飛び出した。その直後!!
集落に鉄の雨が降り注いだ。エンドアースを保護し再び緑の星に戻す事を望むReborn Earth軍(RE)と
エンドアースを完全なる資源惑星にし、完全な火星移住を望むResource Planet軍(RP)による戦争が始まったのである。RE軍とRP軍は地球がエンドアースとなった直後から戦争を繰り広げていて、モリスの両親も、この2軍での戦争に巻き込まれ亡くなったのである。集落は燃え盛り、悲鳴が響き渡る。モリスにあるのは、ゆくあての無い罪悪感と命のみだった。モリスは気が動転するあまり、呼吸さえも忘れていた。
思い出したように吸った空気には集落の人々の命が流れているようだった…
この物語はフィクションです。