プロローグ
処女作です
投稿も不定期な上に長期で開くことも多いです
生暖かく見守ってください!
目が覚めるとそこは真っ白な世界だった。
服装は……灰色の長袖に青の長ズボン……地球での普段着だな。
『目が覚めましたか?』
声の方を見ると紳士服を着た不思議な気配の人がいた。
ニコニコと穏やかな笑顔を浮かべてたが、
「また転生か……」
という一言でその笑顔は凍ってしまった……
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前世での俺の名前は「ノクス」、勇者だった。
だがその世界の王は「勇者なんだから〜」と、色々と仕事を押し付けてきたり、勝手に予定を決めたりとやりたい放題だった……
前々世でもほぼ同じような状態だった。
更にその前は地球の日本でブラック企業に努めていて……
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と、出された椅子に座り説明した。
『……で、話をまとめると「前世、前々世では勇者となり世界を守った後、敵対国に殺された。
更にその前は数年の間寝る時間すらほぼない状態で働き、トラックに轢かれたのが元で即死、直後に転生」……ということで大丈夫ですね?』
「ああ……酷いもんだろ?」
『知識を持つ生物に試練を与えて困難に陥らせ、それを利用し発展させる役割の私が言うのはおかしいですが……酷いどころじゃないですよ!?
特に前世と前々世の神達は何をしていたのですか!?』
と、ため息を付きながら机に倒れ込んでしまった。
「正直に言うと前世、前々世、地球全部で彼女や妹が居なかったら……
途中で壊れていたという確信はあるぞ……」
『でしょうね……
私でも特定の個人に対してここまで酷くはしませんよ……』
「『外なる神」の貴方が……か?」
『!? 何故判ったのですか!?』
パッと起き上がりこちらを睨んできたが……
「まぁ、大半はカンだったんだが……
まずこの場所にいる事、「試練を与える」の時点でかなり上位の神である事はすぐにわかる。
前々世でギリシャ神話、前世で北欧神話の神が居たから今回も地球で有名な神話や伝説の可能性が高いと思っていた。
「困らせる事が役割や能力である事」そして「ソロモンの72柱の方も考えられたが、こちらの場合は、能力や役割から複数人で伝えてくる確率がかなり高い」。
人型であることも含めると、おそらく貴方が「ニャルラトテップ」などの名前で呼ばれる『外なる神』である、と予想がたてられた……どうだ?」
『驚きました……まさか名前まで当てられてしまうとは……』
と、言うとすっと立ち上がりこちらにお辞儀をした。
『その通りです。
私はニャルラトテップ、貴方を呼んだのは私達の世界に変化を起こし、現在こちらに敵対している存在から守ってほしかったのです』
「全部「もしかしたら」という予想だったんだけどな……
返答は詳細を聞いてからでもいいか?」
『むしろそうしてください、こちらにも複雑な事情があるので……
あ、先に申し上げますと「地球で話されていた私達」と「この世界群の私達」は姿や名前、能力などは似ていますが、全く別の人物であることをお伝えしておきます』
どこからか黒板とチョークを出しながらそう彼は答えた。
『頼みたいのは大まかに言うと先程言った2つです。
詳細を言うと「200年の間、試練や祝福を与えても何故かうまく発展しない世界の発展を促進すること」、そして「現在こちらが対応している別宇宙の襲撃者からの侵略を防ぐ事」となります』
「注意点として「過剰な速度、および過度の発展は禁止」と「可能なら逆侵攻からの殲滅」……で良いのか?」
『説明が省けるのは非常に助かります……
で、貴方の返答はどうなりますか?』
「絶対条件が1つ、それが通るなら「受ける」という返答をできる。
可能なら叶えてほしい条件が1つあるが……
まあ、そこは気にしないでくれ。」
『神相手に取引をしますか……』
「流石に3回目の転生になると新しい神を見ても怯まなくなったからな。
それに前2回はここまで親切に教えてくれなかった。
だがあんたはしっかりと教えてくれたし、それならば期待には確実に答えられるようにしたい」
『ふふふ、面白いですね……
良いでしょう、そちらからの条件を教えてください』
「働かないで済むようにしてくれ」
『?????』
「……背後に宇宙を出すのは良いがチョーク折れてるぞ」
『あ……すみません、流石に思考停止してしまいました……』
「正確に言うと「俺自身は動かず他の人を育成し、そっちにその仕事をしてもらう状態にできる」が、絶対条件の方だ」
『なるほど、それなら転生先候補は結構多いですね』
「もう1つは「前世、前々世の嫁達、前々々世の彼女や妹と話がしたい」だな……
こっちは不可能に近いと思っているけどな」
別れの言葉も言えずに死んだからな……
『……ふむ、このジョブなら少数第何十位単位の確率から数%に出来ますね……
しかも会話ではなく肉体を持つ者として呼べ、さらに絶対条件に当てはまります』
「え、ほとんど冗談のつもりで言ったんだが……
詳細を教えてくれ」
『わかりました、ではこちらの資料を基に説明いたしますね』
彼は紙の束を取り出し、渡してきた。
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『では、こちらでよろしいですね?』
「ああ、今までの人生を生かせるこれが一番いい、つらかったとはいえ学べることは多かったからな……
しかも今までのスキル全部持ち、案内人も用意してもらった上でスタートという追加までしてくれたし文句はない」
『わかりました、では転生を開始させていただきますね』
そういうと俺の足元に青い魔方陣が現れ、光に包まれ始めた。
『ああ、転生先の案内人にはあなたへの使命、およびマスターであることは既に伝えてあります。
安心して利用してください』
「そうか、手間がいくつか省けるってことでいいんだな?」
『その通りです、そろそろあちらの世界へと旅立つ時間となります』
「いろいろと教えてくれたり調整してくれたり……ありがとう」
『本来ならばこれが普通のはずなんですけどね……私はこちらからあなたの人生が良くなるように見守らせていただきます』
そういわれると同時に俺はまぶしい光に包まれた――――――
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